大人しい子。

そう言われるのがキライだった。嫌で嫌でたまらなかった。


自分が大人しいなんて、思ってなんかいない。


ただ、人と接するのが苦手だった。

何を話せばいいのか、わからなかった。

本当の自分を曝け出せなかった。


本当の自分を知らない人に「大人しい」なんて、簡単に判断されたくなかった。


知らないくせに…


私はさらに閉じこもるんだ、自分という殻の中に。


わからないなら、「わからない人」、「とっつきにくい人」、「何考えてるかわからない人」それでいい。

大人しいなんて言わないで。

苦痛な言葉。ナイフのような言葉。


けれど、そんなこと考えてる自分がまた憎くてたまらない。


わざとなんでもないよってふりして、大人しそうに控えめに笑っておく。


いつの間にか、自分ってなんだろうって、わからなくなってた。




そんな昔の自分。

さよなら、言えたかな?