牛泥棒 木原音瀬(このはらなるせ)著 依田沙江美(よりたさえみ)イラスト
牛泥棒 (Holly NOVELS)/木原 音瀬
¥900Amazon.co.jp
タイトルの不思議さとイラストの清涼さに惹かれて購入。
実際に見るともう少し淡いイメージのような気がします。
とってもオススメです!
概要
明治時代くらいのお話。
ちょっと不思議話や妖怪話をからめたBLですが、純文学調?で文章が淡々と綺麗です。
清涼な空気を感じます。
不思議話の部分だけでも面白くてそこに徳間の健気さが見え隠れして更に魅力が増しています。
あらすじと、ひとこと
真っ直ぐだけど短気で癇癪もちの亮一郎は、口のきけない年上の使用人、徳馬に心を寄せている。、
幼い頃の大病のあと母がいなくなってしまった亮一郎を傍でずっと支え
無理難題を押し付けても出来ることであれば、綺麗な面立ちでにっこり笑って聞き入れてくれる徳馬。
亮一郎は徳馬との関係を壊したくなくて何も言えないまま毎日を過ごしていたが
やがてその日常が変化する事件が起こる。
口がきけない設定の徳馬ですが
彼は幼い頃から手の中に鬼がいて、自在に操ることが出来また妖魔の類を見る不思議な力があります
身のうちに鬼を飼っていることを恥じていた徳馬が鬼を操る自分をを卑下した場面で亮一郎が
「誰の心にも鬼はおる。俺の心にも汚い鬼がおるんだろうさ。お前の鬼は、たまたま手足さながら使うことができただけなんだろう」
と、徳馬に語るところろとか。この作品は要所要所にぐ!っとくるセリフがあるのもいいです。
お楽しみが減っちゃうので書くのはやめておきますけど。
亮一郎はいうなれば癇癪持ちのお坊ちゃんなんですがオレ様、というわけじゃありません。真っ直ぐです。
そう。「坊ちゃん」ですね。オレ様っていうより。バンカラなかんじ?
そんな彼の徳馬への愛情は本当に突き抜けていて一片の曇りもありません。
たまにいったところが垣間見えて、いい男っぷりです。
結ばれる前の二人のやりとりも、すごくいいです。
冒頭に牛追いの儀式の話題が出て、タイトルとの関連を想像させつつ
淡々と亮一郎と徳馬の日常が描かれ、そして変化して、事件へと、、、
お話の運びもうまいなぁと感じさせられました。
イラストについて
茶屋の縁台に二人腰掛けた横向きに向かい合う後姿
洋装の亮一郎の手をとり、袴の徳馬が字を書いて会話をしている挿絵が
ものすごく好きです。清潔感、清涼感、あと、あの時代の潔さのようなものが漂ってきます。
BL表現
擬音付のねちっこい描写はまでありませんが、ちゃんとしっかり描かれてます。
徳馬が亮一郎にちょっと意地悪されて泣いちゃう場面なんかが萌ポイントでしょうか。
無くても良いくらいお話が面白かったです。
そのほか
この二人が出てくる短編をあわせて3話が収録されていますが
妖怪ものといっても、怖いものじゃないです。
私、怪談とかお化け屋敷入れないくらい苦手なんですけど、このお話は平気です。
やはり牛泥棒が一番面白い。いや、他もおもしろいですが。
新書なのでお値段高いのがネック。
この作者の別の作品も読みたいところなのですが。
機会があったら、お手にとってみてください。
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