その時、



外が騒がしいと感じ取って、
一人のお坊さんが出てきた。



お坊さん

「いいです。大丈夫です。

ただ、一瞬の間ですけれど。」



そのお坊さんは、

今ここにいらっしゃる
お坊さんの中では、

一番の責任者の方らしく、



そのお坊さんが、

「本来であれは、
特例の事なのですが、

お時間もありませんし、

仏像だけなら………」


と言う事で承諾して下さって、



お寺の裏側からご宝前まで、
通して頂ける
運びになりました。




特例と言うのは、

一般の参拝の方々は、
入る事が出来ないご宝前の中で、


間近にいらっしゃる
六人のお弟子さまの仏像の
お顔まで

ハッキリと見える距離でした。



お坊さん達は、

二祖さまだけではなく、


六人のお弟子さま全員の仏像を

私たちに見せてくれました。



そして、
六人のお弟子さまの

仏像のお一人お一人のお名前を
教えてくれました。



仏像は、黒い石で出来ていて、

お顔には、色が塗られていない
仏像でした。




…………二祖さまは、


左から二番目に
いらっしゃいました。


微笑んでいる仏像でした。



六人のお弟子さまの
仏像を見終わった私。




気が付くと…………



母は、二祖さまの
仏像の前で泣いていました。




…………私たちは、

ココまでして頂いた
お坊さん達に、

お礼を言い、




泣いている母の肩を抱いて、


最終便の時間時計
間近に迫っている、

ロ~プウェイ乗り場に向かって、


ほんの少し駆け足で、
お寺を後にしました。




その間も、母は、
ずっと泣いていました。



ひなた

「よかったね。


ひなた様……………


見れてよかったね。」





「うん。

本当に感動しちゃって………


娘を護ってくれている人の
仏像が見れて、


本当に、感激しちゃって………」



ひなた

「きっと、私たちの為に、

ひなた様が見せてくれたんだよ。」




まだ、泣いている
母の肩を抱きながら、


ロ~プウェイ乗り場に向かって、

足速に、こんな話をしていた。




夕方になると、グッと冷える
お山富士山の頂上……………




そんな事は、
ちっとも気にならず、



なんだか、
心の中がとても温かかった。








ひなた