ネコリパブリック岐阜で、とても悲しいことが起こりました。
朝、ネコリパスタッフがいつものように出勤し、猫部屋に入り猫達に挨拶をしていたところ、
まだまだ人慣れしていない、ふくちゃん が珍しくネコボックスの中で寝ていたそうです。
ふくちゃんがこんなところにいるなんて珍しいと思い、まだ人に触れるのが苦手なので
しっぽの部分を「おはよう!ふくちゃん」とチョイっと触っても無反応。。

おかしい、、と思い、体をさわったところ、少し冷たく固くなり始めていました。。
ふくちゃんは、ねこBOXの中で亡くなっていたのです。。。。。
当日、私は、大阪から岐阜に移動の予定で、スタッフから連絡がきたとき、本当に心臓が止まるかと思うくらいびっくりしました。
すぐに、近くのいつもお世話になっている動物病院にふくちゃんの遺体を運び、死因を究明してもらおうとしましたが、やはり外傷もなく、獣医さんでは死因を特定することができませんでした。
ふくちゃんは前日まで、問題なくごはんも食べていました。
私もその前の週、岐阜ネコリパの猫達におやつをあげていたときに、人に近づくのは怖いけれど、おやつほしさに、私の手からおやつを食べた姿を見ています。
あまりの突然のふくちゃんの死、、、
スタッフ達のショックも、相当なものでした。
どうして、なぜふくちゃんが突然死んでしまったのか、、、その原因をしっかりと知っておきたい。
もし伝染病であったりしたら、他の猫達も危ないので、すぐに獣医さんに大学病院の先生をご紹介いただき、死因を特定するために、大阪から大急ぎでもどったわたしと、官房長官の二人で、岐阜大学病院の獣医学科の教授のもとへふくちゃんの遺体をとどけました。
夕方、、ふくちゃんの遺体を受け取りにいき、教授から死因を聞くことが出来ました。
ふくちゃんの死亡原因は、胸膜炎 というものでした。
肺に菌が入り、そこで膿みがたまってしまってっていたそうです。
原因としては、風邪をこじらせて肺炎になり、そして、肺炎のときに菌が肺にはいってしまってそこで膿がたまってしまったのだそうです。
肺炎になったのは恐らく2週間ほど前であろう、、とのことでした。
開腹手術をしたとたんに、肺の膿がとびだしてきてすごい臭いがしたそうです。
ふくちゃんは、まだ人慣れしていない猫だったので、スタッフたちが触ることが出来なかったので、風邪で熱をだしていたり肺炎になってることに気がつけなかったのです。
肺炎も、猫の場合咳やくしゃみをするわけではないので、見つかりにくいそうです。
今回、ふくちゃんは消化器官には全く問題がなく、ごはんが食べれていたそうなのです。
消化器にごはんの跡もありました。
私たちスタッフは、人慣れしていない子の健康のバロメーターは食欲で判断しています。
食欲があれば元気だな、、と判断していたのですが、今回は、ふくちゃんは、気がつかない間に肺炎になっていて、そして菌が肺にはいり、胸膜炎になってしまっていたのです。
何かしてあげれることはなかったのか??
どうして気がついてあげれなかったのだろう、、、、
苦しかったんじゃないか、、、
様々な想いが頭の中をよぎりました。
先生は、猫は、調子が悪くなるのを必死で隠す。さらに触れない子なら、気がつくことはほぼできないかもしれません、、とおっしゃってくれましたが、やはりどうしても後悔の念がふっしょくできませんでした。
ふくちゃんは、大阪のネコリパブリックが開店する前の、57匹の猫を飼っていらっしゃった方が亡くなった現場から岐阜のネコリパブリックにやってきた子です。

マロン、きなこ、ふく の3兄弟で、6ヶ月の頃に保護されたのですが、57匹と人間一人という環境で育ったため、人に甘えたりしたことがなく、家庭内野良猫として大人になった子です。
飼い主が突然亡くなり、ボランティアさんたちが支えていた大阪のネコリパブリック。
今の、大阪のネコリパは21匹の猫達がいますが、当時はそのスペースに57匹もいたのです。ケージに入れられて、人がきたら、シャーっと威嚇をし、震えていた子の一人でした。
岐阜にきたときも、それはそれは恐がりで、ケージに入っていたときは、シャーシャーとお怒りで攻撃的、猫部屋デビュー後も、人が少しでも動いたら、ささーーーっと逃げて、人が絶対に触れないところにいっていました。
岐阜のネコリパは、人が絶対に触れない梁があるのですが、いつもそこで、3兄弟仲良くごろごろ寝ていました。
岐阜にやってきて、ちょうど1年くらいになるころでした。。。
最近では、人がいても水を飲みにきたり、トイレをしたり、おやつがあれば、おやつを人の手から食べるようになり、鼻ツンまでできるようになって、徐々に距離が縮まってきたなあ、、と感じていた矢先の出来事でした。
ふくちゃん、今年で3歳になるまだまだ若い猫でした。
マロンと並ぶ大きな大きな体、つぶらな瞳、そして、ゆったりと動く姿、、、


猫達とは仲良しで、でも、人は苦手、、でも、最近は、人間も悪くないかも、、と思ってくれ始めてたんじゃないかなあ、、と思っておりました。
2歳1ヶ月という短い猫生で、、ふくちゃんは、ネコリパブリックで幸せだったかなあ、、、と思い返すのです。
ふくちゃんにも、素敵な運命の里親さんを見つけてあげたかったな。。
ふくちゃんはその日に、岐阜にあるペット霊園さんで供養していただきました。
最後に、ふくちゃんへのメッセージを書いてください、、といわれ
「ふくちゃん、、肺炎を見つけてあげられなくてごめんね、、安らかに眠ってください」
と書きました。

ふくちゃんには、来世は、もし猫として生まれるなら、絶対に幸せな家族と巡りあって、いっぱいいっぱい甘えれるようになってほしい、、と心から思っています。
ネコリパブリックをはじめて、はじめて、ネコリパの中で大切な命が旅立っていきました。
ネコリパスタッフは毎日、いつも、猫達がストレスが少しでも軽減されるように、お腹いっぱい食べれるように、寒くないように、暑すぎないように、このネコリパブリックで生活している間、猫達にとっても少しでも幸せな環境がつくれるように努力しています。
少しでも体調が悪そうな猫がいたら、病院につれていきます。
ただ、今回、ふくちゃんの肺炎に気がつけてあげれなかったこと、、人慣れしていない猫達の完全な健康管理を今後どうしていったらいいのか、、というのを深く考えています。
スタッフが自宅に連れて帰って、人慣れさせている子もいます。
ふくちゃんと同じ場所にいた大阪ネコリパの猫達も、最初は、シャーシャーいっていた子も、触れるようになった子もいます。ただ、やっぱり距離の縮めかたは猫次第。
ふくちゃんと、もっと早く距離を縮めていれたら、、と後悔はずーっと続くと思います。
でも大切なのは、この後悔を忘れないこと。
後悔を忘れずに、今いるネコリパの猫達にたくさんの愛情をそそぎ、出来るだけ早く、新しい環境へ、新しい里親さんのもとへ旅立てるようにしてあげることが大切なのだと思っています。
私たちがふくちゃんと過ごした時間は、1年ちょっとととても短かったかもしれないけれど、ふくちゃんを忘れることは決してありません。
ふくちゃんのあくびをする姿。

ふくちゃんが伸びをしてる姿。

ふくちゃんが、おやつをねだる姿。

ふくちゃんのちょっと困ったような顔。

全てが、目に焼き付いています。普通の家猫のように、なぜなぜできなかったけど、最後に少し冷たくなったふくちゃんを抱っこしました。
こんな形で抱っこできるようになったのは悲しくてしかたないけれど、ふくちゃんに、みんなふくちゃんのことが大好きだったんだよ、、と声をかけました。
ネコリパの猫達は、スタッフにとって家族同然です。
家族を突然なくした痛みは、とても深いけれど、立ち止まることはできません。
今いる、猫達の幸せと、そして、日本中にいる不幸な猫達を少しでも多く助けることができるよう、これからも前進しつづけなければいけません。
3月29日に、京都にて、ネコリパブリックが主催する、ネコ市ネコ座京都 さくら猫祭りが開催されます。
猫の殺処分をゼロにするためのさくら猫というキーワードを一般の人に知ってもらうお祭りです。
小さな一歩かもしれませんが、小さな一歩がきっと100歩になって1000歩になり、何十万歩となり社会をかえていけると信じています。
ふくちゃん失くした胸の痛みはきっとずーっと消えないけれど、その痛みとともに、私たちは前進していきます。
悲しいお知らせになってしまい申し訳ございません。
ふくちゃんのお仏壇は、ネコリパブリックの店舗にございます。
もしお時間があれば、ぜひふくちゃんに手をあわせにきてください。
きっとふくちゃんも喜ぶと思います。、、、
最後になりましたがネコリパブリックは今後とも、猫達のために頑張りますので応援よろしくお願い致します。
ネコリパブリック首相 河瀬麻花