夏にさようならまだまだ暑いけれど、夏の気配が薄くなる。8月の終わりは、いつもちょっとだけ淋しくなるのだ。半袖も扇風機もサンダルも。残暑の惰性の中で、少しずつ息をひそめていく。お気に入りの風鈴を、今年は出し忘れてしまったな。真っ赤な提灯が好き。好きな人と、お酒をのむのだ。いつまでもふらふら千鳥足で、このまま死ぬまでこうしていよう。あなたがいればそれでいいやと思える時期が、いつまでたっても終わらない。それはとてつもなく、幸福な人生だ。あなたが生きていてくれるなら。