日常のキリトリ線 | 恋は二度目のアネモネ


線香花火が、ぽとりと落ちるとき
あなたがいてよかったと思った。


声をひそめて、
息をひそめて、
感情だけここにある。
わたしがもっと聡ければ、
地球をくるくるまわしてあげられるのに。
とまってしまった電車のなかで、
役に立たない哲学を、
なまぬるい舌先で確かめるのだ。


言葉を、
ことばを、
見失っている。
影のない、あっけらかんとした幸福は
わたしからことばを奪ってしまう。

憂鬱は、余裕と情緒からうまれる。
憂鬱って、なんて贅沢なんだろう。


わたしのうしろに気持ちの悪い女がいて、
あらゆるところに身勝手な悪意をぶちまけている。
わたしには関係ない。
わたしはそんな人間ではないし、
そんな人間を馬鹿だと思っている。
ああ、だけど
そういう嫌悪が憂鬱に昇華して、
言葉としてうまれてくれればいいのにな。

つくづく役に立たないぜ。
おまえも、
そしてわたしも。