タイムマシンがなくてよかった | 恋は二度目のアネモネ


とびきりおいしいフルーツと、
翳りゆく部屋。
あなたの気配より、
ひとりの気配が濃くなる。


作用してるの。
面白いくらいに。
異常なくらいに。
わたしなんて、
自我のない操り人形だ。
ああ
だけど、
どうしてもわたし、
夢から覚めたくないのだ。


わかりたくなくても、
わかってしまう。
拙い指先から、
皮膚の表面から、
ありありと伝わってしまう。
ビリビリ
電気ではじまって、電気で終わる。
恋。
恋は。
最高に刺激的で、
最高にかなしい。

時間を戻したい瞬間も、
帰りたいあの日も、
数えきれないくらいあるけど、
タイムマシンがなくてよかった。

かなしんだり、
後悔したりしながら、
ページをすすめるしかないのだ。



ああ
だけど本当は、
いまそばにいる人に、
もういちど出会いたい。