あんなに濃かったきみの馨は、
もう、薄められた絵の具の青だ。
秘密にした着信がいくつあっただろう。
きみにも、あなたにも。
そうやって日常を演出したい。
情熱的なのわたし。
月並みな言葉でいい。
要するにタイミングと組み合わせ方の問題なのだよ。
かっこつけて。
でもかっこつけてないみたいにしていてね。
かっこ。
カッコ。
「」
『』
()
かっこにも、いろいろある。
言うの言わないの。
それとも言えないの。
かっこの外側にはみ出して、伝わらなかった台詞こそ、
本当に言いたかったことだったりする。
今までに飲みこんできたいくつもの言葉は、
今どこでどうしているの。
そして飲みこまなかった言葉は。
ああ
文字化けしてほしいのだ。
あなたにも誰にも、
わたしにも、
わたしが何なのかわからない。
きみと目を合わせたって、
そこに何も浮かばないなら、
そんなことしたって意味がないから、
するりとかわしたの。
煩わしいことはごめんだ。
ドラマチックとロマンチック以外は、
なんにもいらないよ。
つまらない現実感を携えるのなら、
わたしに近寄ってこないで。