「アウトランド:異界と女優と魔女と剣とホムンクルスと魔王」2:怪異の始まり2-2 | 猫夢アトニマスの小説

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怪異の始まり、

【ギャル★ギャン】

 ガールズギャングな子供たち。2-2

 

 うつ伏せのまま寝てるような身動きしないマネージャーを発見しビビってしまい、女ADは男ADに携帯を渡すと録れと即す。

 

「大丈夫ですか、マネージャーさん!」

 

 女ADがマネージャーにコワゴワと手を伸ばそうとすると、

 

「セセセセセセンパイ!

 

居ません……

 

居ませんよぉおおおおお愛里さんが居ませんんんん~~~~~!!」

 

 居るはずの愛里をカメラを回し探している男AD。

 

「起きて、

 

起きてください!

 

何があったんです?!」

 

 彼女の身体を起こすとマネージャーの頭がそっくり無くなっていて、

 

その真下に穴が開いているのも見た。

 

「ぎゃああああああああああああ!!!」

 

 驚きひっくり返った女ADは、

 

天井にも丸く開いた穴があるのも見つけ、

 

また新たな丸穴が幾つか開くのを目撃した瞬間、

 

ヒュンヒュン、グシャッ!

 

 どこかから飛んできた謎の気弾で身体を真っ二つに裂かれ、

 

吹き出す血しぶきを浴びてしまった男ADはカメラを抱えパニックになり、

 

この場から逃げたい一心で先へ先へと無我夢中で走り本来の目的地、

 

あのトイレへ逃げ込もうとした。

 

ドゴーーーン!

 

 しかし新たに襲い来る気弾の爆風で弾き飛ばされ、

 

正面の壁に叩き付けられたが、

 

一連の破壊行為に熱源は存在せず火柱も無い、

 

火薬特有の匂いも無ければ、

 

ミサイルなどの飛翔兵器なら飛んでくる音も無い、

 

奇妙な破壊現象は降って湧いたようにあちこちで起こり、

 

Bちゃんが落下した廊下の穴はこれだと思われ、

 

ロケバスに戻っていた他のスタッフたちは

 

渡り廊下にライトがちらつくのを見て

 

ADたちが彼らと接触したのだと安心していたのが、

 

唐突な戦争状態に唖然とし冷たい汗をだらだら流し、

 

今しがた到着し

 

パトカーから出てきた警官2名と話そうとした時にそれが起こり、

 

全員で身をかがめ

 

噴煙と共に飛んでくる瓦礫を避けようとカメラマンは、

 

「ディレクターここは危険だ逃げよう!

 

ディレクター!

 

起きて起きてくれよー」

 

 ロケバスのタイヤ横で

 

うずくまる男を立たせようとしたが、

 

「ブツブツブツブツブツブツブツ…

 

ヒッ…

 

ブツブツブツブツ…

 

ヒッ…」

 

 用をなさぬ人と成り果て、

 

壮絶な爆発現象に飲まれていく3棟の校舎が

 

ドミノ倒しのよう倒壊するのを見ながら、

 

「…死んだ

 

…お腹の中の子も…

 

奥さんになるはずだった可愛い人は赤ちゃんになる前の胎児と一緒に…

 

あははははははは」

 

 出来ちゃった婚なため今はまだ2人だけの秘密だったが

 

Bちゃんと結婚する事にしていたディレクター、

 

彼は悲しみのあまり自暴自棄になり、

 

戦争に身を投じる兵士のように湧き起こる惨状に

 

自ら立ち向かい煤煙と瓦礫に飲まれて消え、

 

トイレ周りの外壁も崩れ始めると

 

中から眩しいほどに輝く光が出現し、

 

崩れ落ちる外壁や瓦礫は大小さまざまな影となり、

 

その隙間から漏れる光のコントラストは

 

この上もない程に美しく夜に映えている。

 

「あぁああああああああああ」

 

 身体をすっぽりと覆うような瓦礫の中で

 

かろうじて難を逃れた男ADは

 

その様子を凝視していた。

 

「ヌムクリア・ブレイスト!」

 

ギュギュギュギュギュグォオオオオオン

 

 聞き取れない謎の言葉が発されると、

 

急激に甘く焦げるような匂いが辺りに広がり、

 

雷の塊のようなエネルギー球が出現し巨大化していく。

 

「(わわわわわ~~~!!!)」

 

 目の前で起こる未曾有の出来事にタヒを感じる男AD。

 

「うそぉ~

 

古い最上位魔法?…

 

なら相殺…

 

チルハナノビガク!」

 

 そしてまた誰かの声がすると

 

男ADの身体じゅうの毛がピリピリして逆立ち、

 

彼の視界からは壁になり見えない先で閃光が発生し、

 

ギュウゥゥゥドグォオオオオオーン!

 

 膨れ上がったエネルギー球を弾き飛ばしたようで、

 

四散したエネルギーの破片は

 

障害になる物全てを貫通し破壊。

 

光は光とぶつかり合い重なり更なる大きな光の渦となり、

 

男ADの視界を遮っていたトイレ周辺の壁が全て取り払われるとそこに、

 

「(あぁあああああ…嘘?!)」

 

 すっくと立ち険しい表情を見せる愛里が居た。

 

「…アナタたちはここで命を奪われた子たちなの?

 

後ろに何かが隠れてるのも分かってる…

 

さっきから【なんとかの庭】ってイメージが出てくるけど何なの?

 

正体を現しなさい!

 

あなたたちはすぐに浄化してあげるから辛抱して。

 

なんとか背後の者から引き離すから…」

 

「いぁやあああああ!」

 

ゴォ!

 

「わたしたちをいじめないでぇええええ!!」

 

ゴウッ!

 

「こんなのいやぁああああ!!!」

 

ゴォオ!

 

 少女のような者たちは真っ黒い瞳、

 

焦げて焼けただれた肌で何者かに抵抗しつつも逆らえず

 

助けを求め喘いでいた。

 

裏に潜む者は彼女たちの自分に対する怨念を利用し壮絶な力に変え、

 

獲物を襲う為の武器に変化させていたが、

 

愛里に発見され戦闘状態になり今、

 

その大きく裂けた口から発射された

 

轟々と燃え盛る巨大火球3発が愛里を襲う。

 

グゴォオオオオオオオー

 

「ダイヨンバンレイキ…」

 

 青白く輝く霜の塊の壁を貼り巡らせ火球を跳ね返す愛里。

 

火球は散り散りになったが、

 

いつの間にかこのトイレを中心とした空間と、

 

普通の世界を分け隔てるエネルギー膜が張り巡らされており、

 

炎たちは内壁にぶち当たり跳ね回っては消えていく。

 

 

 

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*現代編:主要登場人物①*

 

名前:鞠まり 愛里あいり

 

職業:女優(新人)

 

年齢:21歳

 

性格:温厚な天然

 

趣味:お菓子作り

 

 霊能力者だった曾祖母さんの血が遺伝。

 

幽霊などは幼少から頻繁に目撃。

 

通りすがる人の死期を予知してしまい怖がられ、

 

他人とうまく馴染めず陰キャ道まっしぐらそして近年、

 

テレパシー能力が目覚めつつ有ると自覚。

 

 

 

名前:波多野はたの 啓ひろむ

 

職業:除霊師(呪術にも詳しい)

 

年齢:34歳

 

性格:兄貴肌

 

 能力者として腕は超一流だが、

 

ギャランティーなどの金銭トラブルがあり、

 

テレビ業界から干されかけだが起死回生を狙っている。

 

強面だが面倒見はよく

 

慕っている者は多いが金は出さないドケチ。

 

 

 

名前:栗山くりやま 千空ちあき

 

職業:某テレビ局制作部AD(アシスタントディレクター:雑用係)

 

年齢:24歳

 

性格:普通人

 

 大学卒業後就職に失敗。

 

友人の紹介で制作マンの世界へ。

 

怒鳴られるのが当たり前の激務に怒鳴られ続け、

 

自分の存在意義を無くしかけた時、

 

壮絶な物語に巻き込まれ無理と知りつつ愛里に惚れてしまう。

 

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「はぁはぁ…

 

はじめに過去の大魔法打っておけば倒せるって思ったんでしょう?

 

あたしはこの通りピンピンしてるぞ背後の奴、

 

いい加減その子たちを離せ!」

 

 愛里が見つめているのは3人の少女が消失したあの地点、

 

栗山には認識出来なかったが、

 

彼女にはそこに確実に居る何者かに対し説得を試みている。

 

「(…き…君はいったい何者…)」

 

 理性は追いつかなかったが、

 

何者かと戦っている事だけ理解した栗山。

 

愛里が何かを呟くたび伸びるしなやかな腕、

 

その指先から放たれる魔法のような閃光、

 

そして長い髪は宙を舞い揺れている。

 

「(あれ?彼女ショートカットだったのに伸びてる~…あぁでも綺麗……)」

 

 彼女の美しさはこの上なく煌めき、

 

魔性の女優と言う言葉がピッタリだったが、

 

彼女はそれの上をいく本物の魔女だと驚愕する栗山。

 

「はたのさ~~~~ん手伝ってぇ~~!」

 

 愛里が呼んでいる。

 

「はたの?

 

はたのさんぇええええわわわし?か!」

 

 波多野は駐車場からその光景に目を奪われ逃げる事が出来ず、

 

一部始終を見ていて、

 

「なななななにを手伝う?…」

 

 突然名を呼ばれ我に返り愛里を凝視すると何者かとだぶって見え、

 

印を切りながら集中するとあの曾祖母とはまるで違う別の、

 

実際に魔法を放っているのは、

 

長い髪をひるがえし立ち回るもう一人の存在のようだと分かった。

 

「~背後の奴と彼女たちを一瞬引き離すからあとは任せる!

 

彼女たちに正しき道、

 

有るべき所へ還してあげて、

 

あなたの力が必要なの!」

 

「あぁああ~そのぼんやりした影があの都市伝説の娘たち…

 

それを成仏させるってことだな?!」

 

 波多野には霊的な対象がなんとなくしか見えず、

 

愛里のように詳細な姿、

 

性別まで見る力は無かった。

 

「同じかどうかは分からない。

 

この子たち魔物に魂喰われて

 

この世界をもっと喰らうための魔法兵器にされてる!」

 

「魔法の兵器…な、なんと酷い……

 

分かった合図をくれ!」

 

 と言ってはみたが波多野の足はガクガクに震えている。

 

「ゼッタイレイドノヤイバ」

 

 宙空に凍てつく冷気が霜になり結晶が作られると、

 

何本ものギザギザした真っ白い氷の槍が手から放たれその鎖、

 

異空間から伸び彼女たちを縛り操る何本もの赤黒い鎖たちを次々に破壊、

 

繋がれていた少女たちは糸の切れた操り人形のように倒れ、

 

背後の空間から次々と新しい鎖が伸び彼女たちに襲い来る。

 

「今!」

 

「ハァアアアアアアアア!

 

(その魂が生まれ出た場所へ、

 

呼び名の無い世界、

 

母の腹よりはるか以前の明るく白い始まりの世界!

 

私はあなたたちの名をここに唱え称賛する。

 

あなたたちの本当の名は…)」

 

 身振りも大きく空中に印を切り一心不乱に祈る波多野。

 

生前の彼女たちの生き様を事前に調査し頭に叩き込んでおり、

 

彼女たち自身を呼び覚まし、

 

何にも打ち勝てる魂の名を叫んだ。

 

「ギャル★ギャン!カーーーーーッ!!!」

 

 すると一瞬だった…。

 

「やった~!」

 

 愛里は目を輝かせ、

 

3人の少女たちも異空間へ通じたような渦も消滅するのを見ていた。

 

「ハァハァハァ…

 

上手く行った…

 

これは自分としても快挙!ハァハァハァほんと良かった。

 

ありがとう愛里ちゃん…と、

 

あなたが居なかったらきっと無理だった…

 

あなたの圧倒的な強さで安心して力を出せた。

 

あなたの名前は?

 

愛里ちゃんを依り代にしてるあなたは?」

 

 地面に片膝を付き能力以上の力を使ったようで、

 

肩で息をしている波多野は

 

上空から髪が突然伸びた愛里とその背後に影のように居る何かが、

 

フワフワと舞い降りて来るのを見ている。

 

「あー見えてた?

 

名は答えられないし言わない。

 

おじさんには分かるでしょ?

 

そうね~」

 

 少し響くような普通ではない声の愛里は、

 

床にたまたま転がっていたボロボロのグラビア雑誌を拾い、

 

「この人誰?」

 

 汚れを払うと指でなぞり波多野に渡した。

 

 

 

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*現代編:主要登場人物②*

 

名前:アイラ

 

 日本人でもない。全てが謎で、

 

年格好は愛里とすごく似ている魔力の使い手。

 

愛里のショートカットとは反対にロングヘアー。

 

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「アイラって人みたいです…」

 

 セクシーな外国人タレントで、

 

ジムで身体を鍛えている様子が収められている本だった。

 

「アイラとアイリ…良いね!

 

あたしの事はこれからアイラって呼んで。

 

うんうん」

 

「ぁありがとうアイリさん…

 

ところであなたに、

 

山のように質問が…」

 

「…時間ないと思うから早口で説明するね。

 

誰かがどこかにある魔王の巣を突付いて魔物たちが他の次元に進出しはじめ、

 

あたしはそもそも魔物を討伐する側の力の使い手。

 

愛里とはなぜか奇跡みたいに繋がっていて、

 

あたしが依り代にしたのではないよ?

 

強く引き寄せられた…

 

大きなほくろのおばあさんに…

 

(そしたらあたしの力が何倍にもなってて…恐ろしかった…。)」

 

「愛里の曾祖母さんだ!?」

 

 波多野が目を丸くしていると

 

アザミは気絶したままの栗山に近づき、

 

「~さすがにこれは残せない……」

 

 その握りしめてる携帯に触れ念を込め、

 

「あ…真帆の庭を探して…」

 

 何かを伝えようとしたがアイラは消えてしまい、

 

「あ…っう~ん…」

 

 ショートカットの愛里が床にぺたんと座り込み、

 

頭を押さえている。

 

「あぁ良かった愛里ちゃん…」

 

 波多野は彼女を支えようとしたが、

 

突然栗山が飛び起き波多野を押しのけ愛里の手を強く握り大号泣。

 

「うわぁあああああ~愛里ちゃ~~~んん。

 

助かって良かった。

 

助けてくれてありがと~~

 

俺タヒんでもおかしくなかった…

 

それをあなたがあなたが~

 

ビェエエエエエン~エグエグエグエグ…ヒック」

 

 涙と鼻水と嗚咽でぐちゃぐちゃになっている栗山。

 

波多野はどっと疲れてしまい安具楽をかき周りの景色をよくよく見ると、

 

深夜のマンモス校で起こった唐突過ぎる謎の戦いは、

 

せめぎ合う力同士の爆発に次ぐ爆破の災害で、

 

彼らが居る辺り以外全てを瓦礫に変え、

 

「……まずいまずいぞ?

 

考えろ、考えろ、考えろ俺!

 

とにかく愛里を連れてここを早く離れて…

 

どこかに身を隠すしか」

 

 とめどなく考えが溢れたが、

 

波多野は何も出来ず呆然としていた。

 

 

つづく