息子じゃなくて
『私』が東京に遊びに行った日記
良かったらどうぞ
９月のある日、唐突に日にちを決めて２泊で東京行ってきた
初日
夕方に東京に着くように出発
昼間の新幹線は混みっ混みで、三人がけの真ん中の席の指定席しか取れず
席に行くと通路側のおじさん寝てたので、起こして真ん中の席に着席
ホッとしたのも束の間、右隣の私より若い女性からの視線を感じた一瞬後
「あの私、名古屋で降りるんです」
「あ、そうなんですか」
‥‥‥名古屋で降りるから席変わってって事なのか？
と思ったんやけど
「中部国際空港に行くんです」
「あー、そうなんですねー」
そういうワケでもなかった
が、しかし
「今日、JR遅延してましたよね」
「そうでしたねぇ」
「朝早くから出てきたんです」
「へぇー」
「あ、ここ充電で使っててスミマセン」
「あぁ全然大丈夫です」
めっちゃ話しかけられるやん
この辺りから
何かちょっと面倒くさい人の隣になってしまったのではなかろうか？
と、気が付くが‥‥‥気付いた所でどうにもならん
「JR遅延って言ったんですけど、私、電車なんて通ってない田舎に住んでるんですよ」
「あ、そうなんですね」
「朝から高速バスで、新神戸まで来たんです」
「へぇー」
「家を出てから10時間以上経ってますよ」
「大変ですね」
「(私の地元)どこだと思います？」
知ーらーんーわー
「さぁ？」
「ヒントは阿波おどりの所です」
「(ヒントは？？)‥‥徳島ですね」
「こんな田舎なんですよ」
スマホの写真たくさん見せてくれる
個人情報気を付けてー
「今日は、名古屋で少し観光をして、中部国際空港から飛行機に乗って父方の実家に行くんです」
「大変ですね‥‥」
私が、コンビニで買ったおにぎりを袋から出すと
話すのを止める右側さん
そして、おにぎりを食べるのだけれど、右側からの視線を感じ続ける‥‥‥
食べ終わり、親戚に新幹線の到着時間をLINEしようと、お尻のポケットから切符を取り出し、時間を確認していると
「名古屋まであと30分くらいで着きますよ」
「そうですね」
「名古屋でどこに行かれるんですか？」
「や、私は東京で降りますよ」
「え？名古屋じゃないんですか？」
「名古屋じゃないですよ」
「そうなんですか！(驚)」
むしろ、なぜ名古屋で降りると思った？
そこで少々会話(会話なのか？)が途切れる
すると、右側さんの前の席の人が、椅子の後ろの方にゴミを落としてしまう
右側さん、そのゴミを凝視
拾うのか？
拾って渡すのか？
拾って渡して話しかけるのか？
どうするんやろ‥‥‥‥‥
今度は私が目を離せなくなる
しかし、右側さんはゴミを華麗にスルー
その後、前の人はゴミに気が付き
使用済みのスプーンを使ってゴミを手繰り寄せ、回収に成功
なんとなく緊張が緩和する私と右側さん
そんなこんなで、アナウンスが流れる
「車内販売のお知らせです」
それに右側さんが反応
「私、車内販売で買いたいんです」
「あぁ来たら止めましょうか？」
「買えるかな？(通路側の寝てるおじさん見る)」
「(隣のおじさん寝てるけど)大丈夫ですよ」
「車内販売初めてなんです」
「そうなんですね」
「もうすぐ車内販売なくなっちゃうんですよね」
「そうみたいですねぇ」
「車内販売買う時(邪魔になるけど)スミマセン」
「大丈夫ですよ」
「何を買いますか？」
「いやー、私は何も‥‥‥」
すると、そのあとすぐに
チャンチャンチャンチャラー
間もなく名古屋！
右側さん、ハッ！となり
おもむろに降りる準備を始めて、準備完了後、即立ち上がり
「スミマセンスミマセン」
と、私の前を通るが通路側のおじさん爆睡
右側さんが声をかけても起きないので仕方なく、私がおじさんの膝を突っつき起こす
また
「スミマセンスミマセン」
と、おじさんの前を通り通路に出て、一目散に出口に向かって行かはった
まだ時間あるよー
そして訪れる静寂
そうだよ、新幹線ってコレだよ
その後、右側には名古屋から乗ってきたおじさんが座り３人仲良く居眠り開始
しばらくすると車内販売がやってきた
そこで
あ‥‥‥右側さんあんなに楽しみにしてたのに車内販売で買い物できんかったやん
と言うことに気がついた
とにかく、色んな事に申し訳ない気持ちを持ちながら、ずーっと喋り続けた右側さん
私なりに丁寧さを欠かさないギリギリの線で冷たく応答したんやけどムダな努力だった
３回くらい
「話しかけちゃってスミマセン」
って言われた私‥‥
そう思うなら、そっとしといて欲しかった
右側さんが降りるの名古屋で良かった‥‥‥‥
新横浜以降だったら、気絶してたなぁ
３人掛けの真ん中ワンダーランド
こうして私の東京旅行は始まったのだ