『三十三間堂通し矢物語』(さんじゅうさんげんどうとおしやものがたり)は、成瀬巳喜男監督・東宝製作による1945年の日本映画。成瀬初の時代劇である。
監督 | 成瀬巳喜男 |
---|---|
脚本 | 小国英雄 |
製作 | 清川峰輔 |
出演者 | 長谷川一夫 田中絹代 市川扇升 河野秋武 葛城文子 田中春男 |
撮影 | 鈴木博 |
製作会社 | 東宝 |
配給 | 映画公社(紅系) |
公開 | ![]() |
上映時間 | 77分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 日本語 |
- 星野勘左衛門:長谷川一夫
- お絹:田中絹代
- 和佐大八郎:市川扇升
- 星野数馬:河野秋武
- 星野の母:葛城文子
- 清二郎:田中春男
- 甚兵衛:横山運平
- お松:清川玉枝
- お清:林喜美子
- おふみ:三谷幸子
- 浪人:鳥羽陽之助、花沢徳衛、沢井三郎、永井柳作
- 紀州藩士:鬼頭善一郎
- 辻講釈師:深見泰三
カラー化フル動画
京都・三十三間堂で江戸時代の初期から行われてきた通し矢にまつわる実際の出来事に題材をとった作品。
1945年1月から5月にかけて撮影された。当時は太平洋戦争末期であり、日本での映画製作の自由度は厳しく制限されていたが、時代劇は当時の世相などに直結していない分、現代劇よりも多少は融通が利いていた[1]。撮影は度重なる空襲に中断を余儀なくされながら進められ、また映画界の一致協力が求められたため、東宝作品ながら松竹下加茂撮影所が使われ、松竹から田中絹代・葛城文子が参加している。
通し矢(とおしや)は、弓術の一種目。堂射(どうしゃ)、堂前(どうまえ)などともいう。京都蓮華王院(三十三間堂)の本堂西側の軒下(長さ約121 m)を、南から北に矢を射通す競技である。様々な種目があったが、一昼夜に堂の南端から北端までの全長を射通した矢の数を競う「大矢数」が有名である。
江戸時代前期に最盛期を迎え、有力藩の後ろ盾のもと多くの射手が挑戦して記録更新が相次いだが、中期以降は大規模な通し矢競技は行われなくなった。京都三十三間堂の他、通し矢用に作られた江戸三十三間堂や東大寺大仏殿回廊でも行われた。通し矢用に工夫された技術・用具は現代の弓道にも影響を与えている。
日本の弓道は女子が支えている?