素晴らしい本に出会いました。弓と禅(オイゲン・ヘリゲル著 福村出版)。
アップルの創始者スティーブジョブスの愛読書でもあるんだとか。
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https://www.yodobashi.com/product/100000009001320991/
戦前、ドイツ人哲学者のヘリゲル氏が哲学講師として仙台へ赴任し、禅の入口として弓道の門をたたく。鍛練を通じて弓道の奥深くに息づく「禅」に触れる日本体験記です。
時代を感じる文体と、一見、スピリチュアルな表現で混乱しましたが、その内容を深く掘り下げて読み解くと、ビリヤードで言うところの「ゾーン」に通ずる眼目に胸を射ぬかれたような衝撃がありました。
「無意識/自然体でプレーせよ」。文章にすると簡単ですが、その実践には自己の内側から湧出る成功への執着や緊張との葛藤、失敗に対する恐怖など様々なものが心をかき乱します。
大勢のギャラリー前で、一人でのプレーと同じく穏やかな心でノビノビとプレーしたくてもできなかった私にとって、一時は「緊張は宿命」と考えるほか道がなかったのです。が、この本と出会って自分のパフォーマンスをより引き出す道しるべを得たような気がします。まるで、恩師にたくさんのことを教わりながら「虎の巻」を作っているときのように。
書籍中では、ヘリゲルが すぐには理解できなかった師の言いつけを愚直に守って鍛練に励んだ末、なかなか結果に結びつかず、欲求不満が辛抱の限界を迎え、投げやりになったり・腐ったり、別な方法へと飛びついてしまう赤裸々な場面もあります。「あー、わかるわー」と思ったり。
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人間には誰もが持っている5段階の欲求があり、低次の欲求が満たされるとより高次の欲求が自然とわき出てくる。
有名なマズローの5段階欲求です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%BC
社会欲求(※1)が満たされると承認欲求が生まれて、他者の評価を求めたり、自己価値を確認したり、劣等コンプレックスを拒絶したくなる。
(※1) 仲間がほしい、良好な人間関係を築きたい、地位/名声がほしいなど。
師である阿波研造が言う「無心無我」は、これらの欲求を抑圧して制御するのではなく、欲求自体が発生しない 無風時の水面のような精神状態を指します。
マズローの5段階欲求では、この状態を「自己超越」と説明していますが、統計を見ると このような精神状態の人は、全体のわずか2%だそうです。
無意識の領域から生まれた欲求は、満たされないと欲求不満になります。人間は、心の安定を維持するため、無意識に「適応機制」と呼ばれる防衛反応を示すそうです。例えば、本当はしたいことがあるのに欲求を抑圧して我慢するとか、都合のいい理由付けをして正当化したりとか、すごい人に近づいて まるで自分にも価値があるように感じようとしたりとか。
自分の精神状態を自在にコントロールできる状態になると、そもそも自我が暴れなく、欲求もほとんど生まれないために「無心無我」でいることができるそうです。
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弓と禅は、抜書きをしながら5周ほど読みました。大切に読んでいても、あちこちに持っていって、数えきれないほどページがめくられた本は、もうボロボロです。
当初は、ブロクで この本に触れることは考えていませんでした。
なぜならば、自分が掘り下げて考えたことを「ひけらかし」と取られたり、注目を集めるための手段として取られたり、私が私自身の承認欲求を満たす手段として読み取られたら、私の本意と大きくかけ離れるからです。そうなったら、とっても悲しい。
こうして筆をとったのは、ブロク記事をまとめることで、自分の頭の中が整理されて、新たなヒントを見つけたり、新しいアイディアを生む「インプット」となり、そのメリットの方が大きいと考えたから。
どうかご容赦ください。
これからいくつかの記事に分けて、私が感じたことと綴っていこうと考えています。特にビリヤードへの応用や、日常生活で自分の気持ちをいかに楽にするかをテーマとして。その中で、適応機制による欲求不満のループが 気づかないうちに自分の意識を圧迫することと、どうすればその負のループを正のループへ方向転換できるかを見つけることができたらいいなー。思考錯誤しながらなので、脱線することが頻発するかもしれません。(笑)
最後まで読んでくれてありがとうございます。