介護の仕事では、利用者に対する接遇はもちろんだが、その家族に対する接遇も徹底しなければならない。
家族への対応をおろそかにすると、たちまち信頼されなくなるだろう。

施設を利用するかどうかは、家族の意見や判断も大きく影響する。
最初に説明を聞きに来たり施設の見学に来たりするのは、利用者だけではないのだ。
利用が決まったあとも、入居施設の場合は定期的に家族が面会に訪れる。

利用者もその家族も、職員にとって友達ではないので、どんなに顔なじみになったとしても馴れ馴れしくなるのは禁物である。
介護の仕事をする上ですべてのシーンにおいて、家族に対する接遇もおろそかにしてはならない。

自身の働いている施設の雰囲気をもっとよくするためのポイントを押さえ、利用者も働く職員も気持ちよく利用できる施設をつくることだ大事だ。

まず重要なのは、施設の雰囲気の明るさだ。利用者が楽しく過ごしているか、笑顔があるか、気力に満ちあふれているかどうかといった現状が、そのまま施設の明るさに繋がっている。もちろん、そこで働く職員も同じように笑顔にあふれて仕事をしているかどうかも重要なポイントだといえよう。
明るい雰囲気を作るためには経営状況も関係してくるが、人員の充足や施設内の清潔さなどの部分も影響しており、健全な経営体制が求められる。
働くスタッフの気持ちにゆとりがあれば、余裕のあるサービスや介護サポートを行えるはずだ。そのゆとりが利用者の気持ちに届き、明るい笑顔を生み出し、結果楽しそうな施設の雰囲気に繋がるのではないだろうか。

また、施設の雰囲気をよくするためには、職員の満足度も関係しているといえよう。
介護業界は人手不足が深刻とされているため、休日出勤や残業などの時間外労働が常態化している施設も多い。労働環境が悪化していると職員からは笑顔も活力も消え、施設内の雰囲気も暗くなってしまう。施設の雰囲気が悪くならないよう、職員に対する福利厚生がしっかりと整っているかどうかも重要だ。
さらに、職員間のやり取りが盛んな施設や職員への研修の充実度も、良い雰囲気づくりには欠かせない。気持ちよく働けるよう、職員も利用者もストレスのない施設環境を築くことが大切ではないだろうか。

接遇とは、人と触れあいもてなすことを言う。

接客と似た言葉だが、接客よりも高度なもてなしを要求している点で接遇の方がより高いスキルだといえよう。
社会人のマナーとして接遇は必要なスキルであるが、介護の仕事にとっても重要なスキルであることは間違いない。

 

要介護者にとって信頼に足る者でなければ安心して介護を任せられないばかりか、不快感により不満を蓄積しかねない可能性があるからだ。
逆に、接遇がしっかりしていれば要介護者は、安心して介護サービスを利用することができ、介護の仕事の信頼に繋がるとも言えるだろう。

接遇の必要性はまさにそこにあると言えるのではないだろうか。

具体的には、まず、挨拶が基本となる。
小さい声で利用者に話しかけるという方もいるだろう。

聞き違いや聞き返しは利用者にとっても不満の原因となり、クレームにも繋がりかねない。

利用者への声かけは、笑顔で相手の目を見て、はっきりと聞き取りやすい声で行う事が大事だ。

 

その声かけの最初は、挨拶ということになる。

まずは、挨拶からきちんとしておくことで利用者との距離を縮めておくのだ。
また、利用者に親近感を持ってもらうことと馴れ馴れしいことは違うことを心得るべきである。

若者言葉などは避け、相手に分かりやすい言葉で丁寧に語りかけるようにしなければならない。
利用者との距離が縮まりすぎるとつい友達のような感覚で話しかけてしまうという方もいるだろう。

しかし、不信感やクレームを誘発しないためにもそうした態度は改善すべきである。
接遇のポイントやマナーに関してはこちらのサイト(http://omotenashi-setsugu.info)も参考になるので読んでみることをおすすめする。