中学当時、クラスに1人HP(生命力)が極端に低い子が居た。Tさんという子で、普通の子が50あったとしたら、その子は 15も無い様なひ弱な子だった。
身長も小柄で、S寸のジャージがダボつく様な体型だから体重も相当軽いであろう事は、誰が見ても明らかだった。
けして家が貧しい訳ではなく、ただ未熟児のまま成長した様な名残を残す様な子だった訳だ。
※形容の仕方が下手くそで皆様ごめんなさい。
個人的に思ったのは、こういう子は何が生き甲斐で、将来何がしたいとかあるのだろうか?と考えさせられる時も…視界に入る時は度々あった。
動作も遅いし、声も掠れた様な声。
ホントに君は大丈夫か…❓と心配を抱いてしまう。か弱いという形容を通り越しており、学年に一人は居る様な存在感が霞んでいる様な子だ。だから進んで話しかける子もあまり居無い。
とにかくここ迄か弱くなると、クラス中は彼女に気を使い、自然にあまり無理な事は強いたりはしないし、何につけ遠慮がちになって来る。国語や英語の先生も無理に朗読役を指名したりはしない。
声が小さ過ぎて、何を言ってるのか?分からないからだろう。
しかしこんな子が珍しく、肩を振るわせ真っ赤な顔をして笑う時があった。アレは正に月に一回あるか無いかのプレミアムな最早イベントだった。
この時はホントにこちらも幸せな不思議な気持ちになったりするものだ。ちょっとしたニュースになってしまう。
そのきっかけを作ったのは同クラにOという型破りな女で、コイツがとにかく面白い。

クラス中がひっくり返り、ドッと湧き出す爆笑と同時に先生(授業中)の士気を見事に挫く、瞬時にだ。O木の必殺技は下ネタ返し。
とにかくアホな戯言で一瞬にして明るくしてしまうOのマジック。いや、けして笑わそうなんて魂胆は全く無いから凄いのだ。計算、打算無し!
先生は肩を落として苦笑い。とにかくどうしてそんなバカげた下ネタが言えるのかがホントに謎。
例えるなら芸人の山田花子をもっと東北のど田舎仕様に変えた様な、幼児特有のあどけなさを多分に残した、本能丸出しの原始的な女だった。
女特有のお淑やかさや最低限の品がというモノが全く無い。その設定自体が既に面白おかしく、人気の秘密の一つだった。
こいつはかなり破天荒な珍しい発達型の女で、少し知障が入っていたのか?特別学級寸前の子ではあった為に中学の教師と小3の児童が話している様な光景にも見えた。…コレが笑えたのだろう。
…これは断言出来るが、クラスにOを嫌う者は1人として居なかった。不動の笑い担当の王だったからでもあるだろう。
人間、よく笑う時にでるドーパミンを出してくれた相手を悪く言う人間というのはそうは居ない。

ただ授業は妨害して居たのは確かだが、それでもOを毛嫌いしたり、怨む者は一切居なかった。
やはり皆、勉強は嫌いでお笑いには勝てないだのだろうか(笑)?
そうだよな…誰でもそうだろう。
素晴らしい。個人的にだが…人を幸せな気持ちにさせる事が出来る事こそが才能だと、今でも信じている。
TVで女芸人がスベッている様を見る度に、Oの偉大さを思い出す。
『ホントに面白い陽キャ知ってるよ❓』
ただ持ちネタが下ばかりな為にTVにはとても出せない代物というのが残念だったが…