ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾
お久しぶりの東野圭吾さん。
読み始めるのになぜか時間がかかったけど、第1章を読んですぐ引き込まれていった。
あらすじ
郊外の、商店街から少し離れた場所に佇むナミヤ雑貨店。
そこの店主がとある事をきっかけに悩み相談を受け付ける事になった。
郵便ポストへ投げ込まれる1つ1つの手紙に対し、懸命に回答を考え返事を書く店主。
ふざけた内容のものから真剣な悩みまで、どれに対しても面と向き合った。
いつしかそれが彼の生き甲斐になっていた。
そしてある日、3人の空き巣がナミヤ雑貨店で一晩を過ごし、奇蹟を体験することになる—
短編かと思いきや、緻密に構成されてる長編でした。
徐々に見えてくる人と人との繋がりや、ナミヤ雑貨店と丸公園の繋がりが素敵だった。
数多くの相談者がリンクする様はさすが東野圭吾。
読んでいくうちにパズルのピースがどんどん埋め込まれていくような作品。一気に読めちゃうはず。
SFが苦手な人もこれは"奇蹟"だと思えるんじゃないかな。
時空を越えて繋がる人々、その背景。
ナミヤ雑貨店を中心に繰り広げられるいくつもの素敵なストーリー。
白紙の手紙に対しての回答は鳥肌もの。心にずしん、って直接きた。
ミステリーの東野圭吾しか知らない人は、これを読んで新しい体験をしてほしい。
この人の作品は、どんでん返しなしでも楽しめる。
心暖まる素敵な1冊でした!