千種高校の三立 【2/23再更新】 | 教育・受験のミカタ

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愛知県立千種高校

校名は「ちくさ」ではなく

「ちぐさ」

所在地は千種区でなく名東区

1963年に設立された高校です。

 

古くからの進学校で、個性的な高校として存在感は揺るぎない人気の高校ですが、近年は国公立大合格者数だけをみると減少傾向にあります。
名古屋周辺公立高校の前年度国公立大合格者数

(現浪含む/各高校HPより2/23再更新)

訂正前の記事にて合格者数を初期集計の数値で誤って掲載しておりました。謹んでお詫び申し上げます。

明和高校 276 音楽科含

向陽高校 260 国際科学科含

菊里高校 228 音楽科含
瑞陵高校 180

千種高校 153 国際教養科含
 桜台高校 149

名東高校 117 国際英語科含
昭和高校  105

 

👇国際教養科についてはコチラ

 

さて、この千種高校ですが、昔から「バンカラ」「自由自治」といったイメージが強く、実際に卒業生に聞くと、そのイメージに近い高校生活の様子を話してくれることが多いように思います。

 

ラグビー部は花園に2回出場していて、千種高校OBの舘ひろしさんは高校時代にラグビー部キャプテンを務められていたとか。

 

質実剛健、文武両道の印象も強い千種高校ですが、文武両道を越えた「三立」を掲げています。

先日、ある学校の先生との意見交換で、千種高校のこの「三立」について論及いただきました。

 

はじめて耳にする方もいると思いますので、千種高校のHPから「三立」についての説明を以下に引用します。(青字が引用部分)

 

千種高等学校は、「自主自律」の校風のもと、文武両道(=勉強+部活動)に生徒会活動を加えた「三立」を目指しています。
 

第一の柱「学習」
各クラスでは、生徒たちの積極的な授業態度が程よい緊張感を出して、レベルの高い深い内容で授業が行われています。
放課や業後、先生に質問をしたり予習復習をしたりする生徒の姿が見られます。
テスト前には、生徒が講師となって講義をする「自主ゼミ」が開かれるなど、学習面でも校風である「自主自律」が表れているといえます。

 

第二の柱「部活動」
朝早くから、体育館やグラウンドなどで一生懸命に練習する生徒たちの掛け声が教室にも聞こえてきます。
放課後の練習では、部員全員が一体となって、自分たちの課題の克服や技術の向上を図り、試合などの様々な目標に向かって活発に活動しています。

 

第三の柱「生徒会活動」
活発で多種多様な学校行事において、生徒たちが主体となって盛り上げる「生徒会活動」があります。
約10キロの道のりをクラスの親睦を深めながら歩く健脚会には「健脚会委員会」が存在するように、学校行事を裏で支える生徒会活動は千種の原動力と言っても過言ではありません。

 

千種高校のありようを表している言葉だなと感じます。

 

生徒が主体になって、様々な学校活動を取り仕切り、運営し続けられる高校と言うのは、外から見ていても勢いがあって魅力的です。

 

西大和学園の体育祭なんかは有名ですよね。

(テレビ東京HPより)

 

生徒が主体的に学校運営に関わる事例は、今後おそらくは増えてくるのでしょう。

 

最後に、千種高校「三立」の第二の柱、「部活動」について。

 

学校における部活動については、最近はコロナ禍で活動を縮小せざるを得ない状況が続いていますが、コロナ禍以前には、生徒にとって「休養できない」「学業との両立が難しい」という問題も提起されていました。教員にとっても、「勤務時間」「専門性を持ち合わせていないのに配属される」など、問題点もたびたび報道されています。

 

部活をやりながら、勉強もまあそこそこに頑張れば「文武両道」になるのか、そのあたりの解釈は人それぞれでしょう。

 

極めて優秀な一部の生徒を除けば、「部活」に大きな比重を置けば「学業」への時間が割けないし、逆もまた然り。

 

例えば、西大和学園高校では、部活動を高3ではなく高2夏までとしていると聞きます。

(テレビ東京HPより)

 

東大・京大に合格者数を多数輩出する学校の多くは、当然のように学業最優先です。

 

千種高校も「部活」という柱を細くするならば、国公立大合格実績は増加するのかもしれません。(学生のパワーが弱まって逆効果になるかもしれません)

 

もっとも、全国レベルの強豪部で、かつ進学実績が毎年素晴らしい愛知県内の私学も身近に知っていますので、一概に部活で学業が疎かになるわけではないことも念のために付け加えておきます。

 

この辺りのバランスをどう取りながら、心身健やかに学業の充実を強化し、学校の目指す人間教育を進めるのかというのは、学校には様々な立場、考え方の先生がいらっしゃるでしょうから、非常に難しい判断、舵取りとなるのでしょうが、曖昧なまま進めていても学校の個性が失われていくというジレンマもあります。

 

千種高校の掲げる「三立」は素晴らしい提唱だと思います。

 

国公立大学合格者数がその成否を決めるものではありませんが、合格者数が増えれば増えるほど、ますます地域からの期待が高まるように思います。

 

PS

大学生の頃に東京ドームでボールボーイをしていた頃に、「上野ゆい」さんという日本テレビのアナウンサーがいらっしゃって、同郷ということで何度かお話をさせていただくことがありました。当時、「スポーツトレイン」という番組を担当されていたのですが、上野さんも「千種高校」のご出身でした。私の中にある千種高校のイメージ通りの方で、聡明でいつも美しい日本語を話し、凛とした強さで常に輝くお姿は今でも覚えています。