【楽園のカンヴァス】原田マハ。
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んだ。絵を見るのは好きだけど美術史などさっぱりの私に少しだけレクチャーしてくれた一冊です。本の表紙に使われているのはアンリルソーの「夢」物語はある富豪が作品の真贋をめぐって二人のキュレーターにその審議をさせるもの。その作品というのがこの「夢」と極似の作品「夢をみた」そして、「夢をみた」に強く関する物語を1週間かけて1章ずつ読んでいき、最後にそれぞれが審議するというもの。はたして、真作なのか贋作なのか。さらに、もうひとつの疑惑が。史実をもとに描かれたストーリーでとても魅力的で引き込まれました。アンリルソーの当時の評価は「日曜画家」などと言われ、軽視されていたようですが同じ時代に生きたピカソは「これこそは!」と強く衝撃を受けていたらしい。表紙に使われた「夢」という作品、ほかにもジャングルを描いた作品は個人的にはとても好きです。レプリカでもいいから壁に飾りたいわぁ。匂いたつような深い緑、ユニークに描かれた動物たち。見れば見るほど引き込まれていく作品でした。いつか、、、、本物が見られることがあるでしょうかw作品の真贋を競う二人のうちの一人は倉敷の大原美術館で監視員を務めている、という設定でより身近に感じられました。美術史のほんの1ページでも覗き見ることができて幸せでした。