こんにちは!NDNスタッフの井上凪沙です。今日は、24-CN-56 睦月くんの紹介です。

睦月くん(以下、愛称むっちゃん)は、屋外の多頭飼育崩壊現場から保護されました。長年お外で暮らしていたため、年齢不詳…。歯の様子から、シニアの可能性があるとお医者さんから言われています。

保護当初、この現場の指揮を執っていたNDN代表からむっちゃんを預かり、保護ボラさんのもとへ連れていく時のこと。代表は、「とってもおとなしい子だよ、何とか人馴れもできそうだね」と。お外にいたのに、体重は5キロオーバー、ずっしりとした体でちょこんとキャリーバッグに入っていて、移動する車の中でも全く鳴かず、本当に落ち着いた子でした。(写真は代表の家にて。保護直後でまだ体も汚れていて、人間のことを信用していない目です…)




保護者さん宅へ到着。2人がかりでよいしょとケージへ移し変えました。「すぐに人馴れすると思います、よろしくお願いします!」と私は帰宅。3時間後、保護者さんより連絡あり、鼻水が酷くぐったりしていると…!環境の変化で体調を崩すことは保護猫ちゃんにはよくあることですが、念のため受診していただくことになりました。その後も2日ほどは食欲も出ず、排泄もいまいちであまり動かず、保護者さんは色んな食べ物やトイレの砂を試してくださいました。身を隠してゆっくり休めるようにと寝床も工夫してくださいました!(写真は、保護者さんお手製のむっちゃん用ハウスです!)




保護して3日後、保護者さんから信じられない連絡が来ました。「むっちゃん、元気になってきたらものすごく攻撃的になって、威嚇して手が出てきます。見にきてくれませんか?」と…。急いで保護者さん宅へ行くと、3日前に抱き上げられたことが嘘のように、機敏に動いて威嚇しまくるむっちゃんがいました。不用意にケージに近づくものなら、飛びかかる勢いで威嚇、手も出る口も出る、とにかく怖かったです。こんな時にも保護者さんは、「まずは元気になって良かった!むっちゃんにも言い分があるだろうから、むっちゃんの気持ちを最優先にして、しばらくはそっとしておきます。敵はいないと思って欲しい。」と。会の活動は、このように寛大な心で猫たちを受け入れてくださる方たちのおかげで成り立っていると強く感じました。(写真は、元気になってこわーい顔をしながら威嚇するむっちゃん。ごはんを食べてるかと思いきや、こちらがちょっと動いたのを視界の端で察知すると、飛びかかってきました。本当に怖かった…)




保護者さんはこれまでもたくさんの猫を保護してくださったベテラン。そんなベテランでもむっちゃんと接するにはたくさん悩んでおられました。ネットで見つけた人馴れ方法は片っ端から試し、手を傷だらけにしながら毎日毎日お世話をしてくださいました。こんな様子なので、3段ケージの中からは出してあげることができず、ケージフリーの時間も取れないので、それもまたストレスで攻撃的になるのでは?と、どうしてあげるのが1番良いのかと2人でとても悩みました。保護部屋には保護者さん宅の飼い猫が2匹一緒に暮らしていました。いずれも保護して10年以上経っていますが、人馴れが全くで、この子たちとむっちゃんがケージの外で出会ったら、とんでもない喧嘩になるのではないか、また喧嘩が始まってもどちらも触れないから止めることもできないよねと。それならば保護者部屋をDIYしようという話まで出ました。




DIYのお手伝いしますよ!と話していたそんなある日、またしてもびっくりする連絡が来たのです…。




あれ…?ケージの外でくつろいでる…?




なんなら他の猫(保護部屋以外で暮らしているフレンドリーな飼い猫)と鼻チューして普通に挨拶してる…?目を疑うような動画が送られてきました。(↑の写真はその動画の一部です)ケージの扉を開けてむっちゃんがしれっと出てきて、しれっとケージ外で寝ていたようです。保護部屋の人馴れしていない猫たちも特に無反応。なんならその数日後…




寄り添って寝てましたー!!私も保護者さんも、なんだか嬉しそうにしているむっちゃんを見て、本当に良かったと何度も何度も喜びました!

さあここから人馴れも!と思いましたが、猫同士の絆は育まれるものの、人に対してはまだまだ警戒。近づくとシャーと怖い顔で威嚇しますが、飛びかかってくるような攻撃性は無くなりました。

今でも、私がお邪魔すると、すぐに怒ります。毎日お世話をしてくださる保護者さんからは手からおやつももらえるそうで、保護者さんの顔を見ると「ごはんくれ〜」と、超かわいい声で「にゃ!」と鳴きます!初めて生でその声を聞いた時は、あんなに怖い顔で威嚇していたむっちゃんがこんな声を出せるなんてと感動しつつ、あまりにもかわいい声に悶絶してしまいました。(↓写真、保護当初と見比べてみてください!毛艶も良くなり、本当に穏やかな顔つきです!)




むっちゃんが保護されたのは2024年1月のこと。ここまで来るのに1年が経ちました。それでも、まだまだ譲渡会参加は厳しいです。1年の間に数回体調を崩して受診しましたが、ほとんど触れないむっちゃんは、お医者さんに連れていくのも一苦労、触診が必要な場合は鎮静をかけないといけません。ひどい口内炎があり、歯も何本か無く、おそらく蓄膿症もあって、季節の変わり目などで鼻水が出て、鼻詰まりで食欲不振になってしまいます。保護者さんはむっちゃんの体調管理のために、本当に本当に尽くしてくださっています。




もちろん、むっちゃん里親さん大募集中です!むっちゃんのことが気になる方は、ぜひお問合せください。




このように、NDNの保護猫の中には保護されても譲渡会参加が難しく、保護者さんのもとで家猫修行中の子がたくさんいます。保護して里親さんを探そうとしたけれど、さまざまな理由で里親さん探しが難航する場合が多くあります。私たちはすべての子を救えるわけではありませんが、一度手をかけた子には最後まで向き合います。そのために協力してくれるスタッフ、ボランティアさんとともに毎日奮闘しています。皆様からいただいた温かいご支援はこのような子たちのためにありがたく使わせていただいております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。



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徐々にですが子猫の保護が増えてまいりました。皆様からのご寄付をお待ちしております。

よろしくお願いいたします。


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