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内容証明郵便自体には法的拘束力や強制力はなく、 単に郵便局がその内容と相手方への到達を証明してくれるものにすぎません。裁判において、その到達を重要な証拠とするなどといった場合であればともかく、話し合いによる解決が重要であると考えられる敷金返還をめぐる紛争において、賃借人自身が一方的に算出した額の敷金返還を求めて内容証明郵便を出すことにあまりメリットは考えられず、むしろなるべくなら控えるべきものであると考えられます。内容証明郵便は、法的な手段に訴える前のいわば宣戦布告のようなものである、と言われています。むやみやたらに出したのでは、賃貸人の気持ちを逆撫ですることにもなりかねず、その後の話し合いもスムーズに進められなくなる、といったことも考えられます。
 しかし、例えば、後に紹介する第三者機関、弁護士や司法書士といった専門家などに相談し、その敷金の返還請求が妥当であると考えられる、といった場合や、賃貸人が敷金返還の話し合いに全く応じてくれないといった 非協力的な態度をとり続けており、少額訴訟等の法的な手段に訴えるしかない、といった場合などには、有効な手段となり得ることもあるでしょう。

 その場合でもやはり、その後の話し合いや状況を良く検討してから出すことを決めるべきだと思います。