「旅券返納命令問題」でお騒がせのジャーナリスト杉本祐一氏とやらが、外務省を訴えようとしてるんだってね。
イスラム国の問題を、我が国なりの国際テロ対策を構築させる機会と捉えるのならば、それはそれで内向きの深い議題として大変建設的な動きとして評価できる。
しかし、一部のヒロイズムに酔った自己顕示欲過多のジャーナリストの中東紛争国への渡航について、執られた外務省の一連の措置に当のジャーナリストが異を唱え、この問題は日本国内の法廷闘争の一案件に矮小化されようとしている。
焦点は<「移動の自由」を保障した憲法22条と、生命・身体・財産の保護のため「旅券返納を命じることができる」とする旅券法19条のどちらを優先するか>
まあ、法曹関係者は、なるべく普遍的で恒久的な規定・規範をこさえたがる。
今後の自己顕示欲過多ジャーナリスト対応の前例第一号となるのだから当事者たちの鼻息はもう既に荒いだろう。
でも、そんなことはどうでもいいことだ。
マスコミはお決まりのように「知る権利」「報道・取材の自由」などと言うが、いまいち取っ付きにくい中東紛争地域の特に「今もっともカオス」なイスラム国地域の一分一秒の動静にどれ程のニーズがあるのだろうか。
どの世界でも素人の領域と玄人の領域っていうのがある。
もうこの地域の問題は素人じゃ手に負えない、どう理解すればいいのか解からない。
万一今日正しい情報を得られても、明日には正しくないことかもしれない。
そんなレベルにあると思う。
「知る権利」があるとしても、混乱させるだけの細かい情報や噂話は迷惑だ。
杉本氏やらが、向こうの関係者に接触できたとして、その関係者は杉本氏に真実を語るとは考えにくい。
むしろ利用されて、わざとニセ情報をリークされて、その事実確認に外務省が振り回されるのがオチだ。
正直「知る権利」は、イスラム国に関しては「あとでまとめて聞く」かたちで行使できればいい。
一方、今回の外務省の措置は「フリーランスのジャーナリストにとって営業妨害だ、生存権の侵害(まで言ったかどうか知らぬが)だ」という声もあるようだが、政府は生命の保護の見地から言ってるんでね、話がかみ合わないねえ。
杉本氏も「自分なりに情報を得て危険度は判断してる」と言ってたが、同じことを言ってた人が先日殺害されたばかりだからちょっと待ちなさい、って極めて常識的な話なのに。。。
で、ぶっちゃけ言ってしまうと、私などはもう後藤さんのところ(拘束事件)でウンザリしてるんですよ。
それは、やはり彼(後藤さん)が、あの時イスラム国に近づいた合理的な動機が見い出せなかったから。
湯川さん救出?
それは彼の仕事じゃないでしょ。
更に、日本国を外交的・安保的危機に直面させる可能性は子供でも理解できる状態だった。
それこそ、そんなしてまで、「知る権利」行使させてくれなくていいよお、というのが一般人の常識的な反応である。
今回の杉本氏の動機も邪悪な自己顕示欲と、あわよくば何かの浮利に与れるのではないかという打算しか思いつかない。
もし、後藤さんの動機に何か得心のいく解釈があれば、今度の人もそれなりに主張があるのだろうと、邪険にすることは無かった。
だから杉本氏には、法廷で「外務省のあの対応は間違っていた」ことを証明して何になる?と問いたい。
妙なサヨク的取り巻きがいるなら「特定秘密保護法」に絡めていくのかもしれないが、いずれにせよ、本件に限って見た時に世間一般の支持が得られるか、という方が重要だと思うけどな、法廷での勝ち負けよりも。
でも最後まで負けを認めず、審理の長期化を図る、いつものしょっぱい法廷闘争になっていくんでしょ。
あーあ、やだなー。
ただどうせならね、旅券を最後まで返納せずに逮捕されてくれた方が、あの逮捕は妥当だったのか、ってなって多少解かり易い裁判に出来たと思うぞ。