◎化学特講Ⅲ  担当:増田重治  

[概要]

 駿台化学科特講シリーズの一つ。有機化学の芳香族までの範囲を扱う。有機化学は増田先生の十八番なので受講価値は非常に高い。

[テキスト]

 おそらく関西作成のテキスト。要項、EXERCISE、演習問題、自習問題から成る。演習問題は国公立を中心に10題あるが、悪問が入っていることもある。また自習問題は多すぎてやりきるのは困難を極めるので余裕のある人以外は過去問を解くべき。個人的な意見だが、配布プリントの方が説明も詳しく(電子論の話はテキストにあまりない)、まとまっているので増田先生がテキスト作成したほうが良いと思う。

[授業]

 特講Ⅰと同様にプリント中心。非局在化の話から始まり、異性体、炭化水素、アルコールとエーテル、カルボン酸、芳香族という風に進んでいく。講義問題の解説では、問題文から丁寧に情報を読みとって構造を推理していくプロセスを教えていただけるので有機化学初学者でもついていきやすいと思う。

[予習・復習]

 講義問題と炭素骨格を書き出す練習(これはテキストに問題がある)をしておくとよい。

[感想]

 電子の話をきちんとしてくれるので有機化学が今まで以上に楽しめるようになった。

疑問なのが高分子の講習を持たれていないことである(特講Ⅲからの接続相性も良いはずなのに)。おそらく駿台当局からすれば高分子の方までプリントを刷られるのは嫌なのだと私は考えている。有機分野だけでも増田先生の参考書が出版されるのを期待したい。