おはようございます




今回は、私たちにはあまり縁のない世界を紹介します。





それは、





“一見さんお断り”はなぜ?です




「すごく高そう…」「政治家や経営者が密談してそう」など庶民とは縁遠いイメージの「料亭」。足を踏み入れづらい理由のひとつに、「一見さんお断り」という独特の慣行がある。誰からの紹介もなく初めて来店したお客さんはお断りという閉鎖的な話だが、なぜそんな慣行が定着したのか? 




せっかく足を運んでくれたお客さんを断るなんて商売としてはもったいないような…。新橋の老舗料亭・金田中の若旦那、岡副真吾さんに伺った。






「“一見さんお断り”の起源は、芸者さんの給料の算出方法にあるんです。料亭とは、料理はもちろんのこと、その空間自体を楽しんでもらうサービス。その空間作りに欠かせないのが“芸者さん”の存在です。




料亭は、お客様が帰る時に他のお客様と会わないよう配慮するので、前のお客様のお見送りが終わるまで、他のお客様の宴席が延びることも珍しくありません。その場合、芸者さんは宴席の予定時間が過ぎても、お客様が帰るまではサービスを続けます。








芸者さんの料金はいわば時給制なので、お客様が帰るまで何時間のお仕事だったか確定せず、お客様が帰ってからでないと金額を算出できない。結果として、お客様にも後日、芸者さんの料金を足して請求を出すという会計システムになったんです。なので、どなた宛てにご請求をお送りすればいいのかこちらが存じている方でないと、ご利用いただけなかったというわけです」






一見さんだと踏み倒されるリスクがあると。






「ただし、これはあくまで“発祥”がそうだった、という話に過ぎません。今も『一見さんお断り』とさせていただいている最大の理由は、料亭とは元来“なじみ”の文化だからです。一見さんだとその方の好みがよくわからず、きちんとしたおもてなしができません。




お客様と気心知れた関係だからこそ、料理・しつらいに加えて“その場の空気”を楽しんでいただけるわけです」(同)






すでに“なじみ”となった客による紹介だからこそ、料亭を楽しみやすいというわけか。やはり、なかなか縁遠い場所に思える料亭だが、サラリーマンの僕らでもその世界を垣間見るチャンスがある。それが「東(あずま)をどり」だ。






新橋演舞場が去る5月27日~30日の4日間「料亭」に変貌するというイベント(2500円~)で、新喜楽、東京吉兆、金田中といった名だたる料亭のお弁当や鮨折をつまみながら、芸者さんの踊りを鑑賞するというもの。




加えて、休憩時間には、芸者さんのお点前でお茶を飲んだり、お酒を片手に彼女たちとおしゃべりをしたりすることも。豪華な食と芸者さんの踊りにおもてなし、料亭に行かずともそんな体験をすることができたというわけだ。






なかなか見ることができない「一見さんお断り」の世界、もし機会があったら
体験してみてもいいかもしれませんね?







では、次回