Lady Strawberry アパレル君 -41ページ目

第21話 ポカリスエット

「聞こえるのか?」

ドレッドは、確かそういった気がする。

距離にして50メートル程度離れている。

チェンチョンは、喧嘩に向いていない。

さて、どうしたものかと頭をかいていると、ドレッドは砂をさわりながら、ゆっくりと近づいて来た。

喧嘩に理由は、要らなかった。

ドレッドが何を狙っているかは、わからないが、チェンチョンを巻き込みたくなかった。

「ポカリスエット飲みたくなっちゃったよ。悪いんだけど、チェンチョン、買ってきてくれないか?」

チェンチョンは、察したようだ。

「急いだら駄目だよ。走らずに、こちらを見ないで行ってくれ。」

チェンチョンは、額から嫌な汗をかいている。

「後で会おう。俺は大丈夫だから、さぁ行ってくれ」

チェンチョンが荷物を持って歩み始めたタイミングで、ドレッドが座った俺の真正面に来た。

細いドレッド、白い肌、デカい体にキズは見えない。

ドレッドは、手に握っていた砂を、俺の前で、パンパンパンとはたいた。

目潰しで、かけられるかと思った俺は、確か拍子抜けしたと思う。

「あのさ、声かけてんだから、無視すんじゃねぇよ」

「悪いな。ワックス塗るのに夢中になっちゃってね。」

「次、やったら殺すから。お前、タバコ持ってる?」

俺は立ち上がって、ドレッドの顎にアッパーを喰らわした。

あて所が悪かったか、殴った俺の手も痛かった。

膝から倒れたドレッドの顔に、肘を入れた。

これも当たり所が悪くて、ドレッドの歯に当たり、俺の肘もスパンと切れた。

連中が二人、こっちに走ってきた。