前回のエントリーからずいぶん間があいてしまいました。


今回は燃料電池自動車(FCV)と電気自動車(BEVもしくはEV)のお話をしていきたいと思います。


まず最初にお断りしておきますが、

現時点でコストという面では、FCVはガソリン車よりもさらに高いというBEVにすら届いていません。

そして、FCVに水素を供給するためインフラである水素ステーションも、建設コストはガソリンスタンドに比べるとかなり高いというのが現状です。


これは両者の開発フェイズや、普及に関するロードマップの違いもあることから、

コストの話は一旦置いておきたいと思います(もちろん、後日多少なりとも触れさせていただきます)。




では、まず

FCV(燃料電池自動車)の利点を。



(1)走行中は、水(水蒸気)しか排出しない(最初に書いた通り、水素製造過程ではCO2が出ます) 


(2)ガソリン車並の航続距離(トヨタの最新型では10.15モードで約800km)


(3)燃料(水素)の充填時間が短い(将来は5分以内)



次に、

FCV(燃料電池自動車)の不利な点



(1)構造が複雑(現在のハイブリッド車とほぼ同じ) 


(2)貴金属(Pt, Ru)や特殊材料を使用するので高コスト 


(3)高圧(350~700気圧)で水素をタンクに充填することから日本の厳しい規制では車両・インフラともに高コスト体質





対する

BEV(電気自動車)の利点 



(1)構造が簡単(極端な話、シャーシと車軸と車輪、モーターとバッテリーがあればできちゃう) 


(2)燃料電池のように極端に高価な貴金属は使用しない 


(3)充電インフラの整備が容易(家庭でも充電可能)



BEV(電気自動車)の不利な点


(1)航続距離が短い(バッテリーのエネルギー密度が小さい。三菱i-MiEVで10.15モード160km) 


(2)道路交通状況、エアコン使用状況(気候の差)により航続距離が大きく変わってくる 


(3)充電時間が急速充電で20~30分(チャージ80%) 家庭では約8~16時間(フルチャージ)かかる




FCVとBEVのメリット・デメリットをあげるとこんなところでしょうか。




そんなわけで、水素・燃料電池業界としては、

短距離(シティコミュート)はBEV、中・長距離(都市間移動)はFCVという住み分けして

共存できるのが一番望ましいと思っているわけです。





とはいえ、昨年の11月に、

日本EVクラブ というNPO法人がダイハツ・ミラを改造して、汎用Li-ionバッテリー(18650)を約8000本積んで、

東京-大阪間550kmを無充電で走破するというデモンストレーション を完遂されています。



そして、日本EVクラブのデモの1週間ほど前には、

JHFCプロジェクト(水素・燃料電池実証プロジェクト) が、

FCV(最新3車種)で東京-北九州間1100kmを、2回の水素充填で走りぬくというデモンストレーション

実施して完遂しています。




この両者のデモで見えてくるのは、

BEVは無理してバッテリーたくさん積めばガソリン車並に走れる(先のデモを行った車両のバッテリー総容量は三菱i-MiEVの4.5倍)。

FCVは標準仕様でもガソリン車並に走れるという構図が浮かびます。



そこで先に書いた共存という考えに行き着くわけです。



さて、次回は展示会などでよく聞かれる水素の安全性について、お話したいと思います。