さて、先のエントリーで書いた通り、
水素はH2の形では自然界にほとんど存在しておらず
水素を製造する過程で、温室効果ガス(GHG)とされているCO2を排出する
ということを書きました。

では、水素を製造する過程でCO2を排出するにもかかわらず、
なぜ燃料電池が良いとされているか。
このエントリーではそのあたりを簡単に説明していきたいと思います。


発電所を発電場所と需要家(ユーザー)との間の距離によって分類すると
「オンサイト発電」と「オフサイト発電」に分けられます。

 ◆オンサイト発電とは、電力を使用する場所のすぐ横で発電すること。

 ◆オフサイト発電とは、電力を使用する場所から遠く離れた場所で発電すること。

蕎麦屋に例えるなら、
エントリのタイトル通り、

 ◆オンサイト発電は立ち食い蕎麦

 ◆オフサイトは出前蕎麦

といったところですか。

実際の発電所の例で言うならば、わかりやすいところでは、
オンサイト発電は、妻夫木君やエネゴリ君がCMやってる「エネファーム」、
オフサイト発電はいわゆる「火力発電所」があります。


いわゆる火力発電所というのは、皆様ご存知の通りほぼ全てが海岸沿いに建設されています。
火力発電は、原油や天然ガスを燃焼させて水蒸気を作り出し、巨大なタービンを回して発電するわけですが、
その膨大な余剰熱を処理するために大量の水を必要とするため海岸線に位置するわけです
(これが大陸だと大河の河岸もあり)。


では、火力発電所の膨大な余剰熱はどうなるのか。

熱は貯蔵したり運搬し難いので、
基本的には温められた海水として海に還流されるだけです。
(熱を遠くに持っていけないので、そばに温浴施設や温水プールがあったりしますね)


そこで、発電で出る熱をその場で使えるようにできればより効率的、
ということで登場してきたのが燃料電池などのオンサイト発電で行われる
コージェネレーション発電です。

電力と熱を利用できる発電方法なのでコージェネレーション(コージェネ)、
一方で、電力しか利用できない発電はモノジェネレーション(モノジェネ)と呼びます。

これは、まさに立ち食い蕎麦と出前蕎麦の関係で
できたてのアツアツの出汁で蕎麦を食べられ、
お腹もいっぱいで、かつ身体も温まるのがオンサイト発電のコージェネレーション。

一方で、若干ぬるくなった出汁で蕎麦を食べて、
お腹は満腹になるけども、身体はあまり温まらないのがオフサイト発電のモノジェネレーション。

というとイメージが沸くでしょうか?


現在の最新鋭の火力発電所の発電効率は約50%と言われています。
(ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電の場合)
但し、前述のように熱は利用できません。

ちなみに、ここで言う発電効率は、元になる燃料が持つエネルギーに対して、発電した電力の持つエネルギーの割合です。

対する燃料電池の発電効率はだいたい35%~45%程度。
但し、余剰熱がお湯として利用できます。

というわけで、
総合効率(元になる燃料が持つエネルギーに対して、
発電により得られた利用可能な電力と熱の持つエネルギーの割合)で見ると、
燃料電池の総合効率は80%を超えることになります。

つまり、効率的にエネルギーを使えるので、CO2排出量も減らせる、
というのが燃料電池のメリットとされており、開発が行われている次第です。

長くなりましたが、今回はここまでです。

次のエントリでは、燃料電池の種類と開発の現状について概要をお話したいと思います。