トラウマには、さまざまな思いが、きちんと整理されていない状態で詰まっています。
EMDR療法について、「どんな感じでトラウマ処理が進むのか、もうひとつイメージがわかない」という方がよくおられます。
昔の精神分析では煙突掃除にたとえられましたが、私は昔話によく出てくるような、玉手箱のイメージを使って説明することが多いです。
玉手箱がトラウマ記憶だとして、EMDRを開始すると玉手箱のフタが開きます。
そして、玉手箱の中からモクモクと煙が出てきます。
その煙は、それまで玉手箱に閉じ込められていた、辛い感情や、嫌な感覚や、ネガティブな考えです。
煙が玉手箱から立ちのぼって、どんどん出て行って、青空の中に溶けて消えていきます。
青空は、その人が本来もっている資質や、人生の中でのポジティブな体験などです。
煙が出ている最中は、煙たくてゴホゴホなったりするように、EMDRが進んでいるときに、辛い気持ちになって、涙することもあります。
やがて煙が全て出切ってしまうと、玉手箱は空になります。
そこに玉手箱が残るように、トラウマとなった記憶は残ります。
しかし、中に煙が残っていなければ、玉手箱が残っていても、煙たくて辛い思いをすることは、もうありません。
これは説明のためのイメージですが、EMDR療法はこんな感じで進んでいきます。
このたとえでいうと、長年にわたってトラウマが残りやすいのは、何かの刺激でフタが開いて、中の煙が出はじめると、急いでフタを閉じるということが、何年も繰り返されたり、フタが開くような刺激を避けて生活したりするからといえます。
もちろん、玉手箱の数や大きさであったり、それぞれの箱に、どれくらい煙がたまっていたりするかは、ひとそれぞれなので、全ての煙を出し切るのに、どれくらい時間がかかるかも、ひとそれぞれで違ってきます。
また、それぞれの箱は、心の見えやすい場所にあることもありますし、奥の方にしまい込まれていることもあります。
その箱の存在をすっかり忘れていても、折に触れて煙がどこからか漏れ出てきて、心に立ち込め、「この煙たさは、一体何なんだろう?」というようなこともよくあります。
中村カウンセリングルーム
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