赤ちゃんは泣くことで、母親(養育者)に、なぜ泣いているのかを感じ取ってもらい、授乳してもらったり、おむつを替えてもらったり、抱っこしてあやしてもらったりします。
少し大きくなって、自分で歩けるようになっても、転んで痛い思いをしたり、何かうまくできなかったり、知らない人や動物を怖がったりしたとき、子どもは母親のもとに戻って、くっつこうとします。
言葉が話せるようになると、嬉しかったことや、怒ったことなど、自分の気持ちを言葉で表現して、それを母親にわかってもらおうとします。
それらを、アタッチメント(愛着)といいます。
アタッチメントによって、安心感や、情緒的な満足感や、気持ちの落ち着きが得られ、脳科学的には、感情の調整能力が発達します。
反対に、アタッチメントが不足すると、子どもは情緒不安定になったり、問題行動を起こしやすくなったりします。
また、心理面だけでなく、身体の面でも、病気にもかかりやすくなったり、調子を崩しやすくなったりします。
アタッチメントの不足は、トラウマの一種ともいえますが、大きくなってから、
・感情の調整が難しい
・ひとの立場になって考えるのが難しい
・ひととの親密な関係が築きにくい
・心や身体の調子を崩しやすい
といった傾向となってあらわれることが指摘されています。
なお、同様の傾向は、発達障害にもみられますが、発達障害の原因は、アタッチメントの不足ではないので、ご注意ください。
また、このような子どもの心身の不調は、全て母親が原因という、単純な話でもありません。
アタッチメント不足には、母親自身の生い立ちの問題、現在の家庭内の問題、母親へのサポート不足、母子の相性など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
さらに、アタッチメントは、子どもだけでなく、大人にとっても大切なものです。
乳幼児期のアタッチメントの不足は、大人になってからでも、家族同士のスキンシップや、受容的・共感的な傾聴などによって、補うことができます。
このように、子どものころからの十分なアタッチメントは、人間が心身ともに、健康に成長・発達していく上での、とても重要な基礎といえます。
中村カウンセリングルーム
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