アイス市場は2025年度も過去最高の売上を見込んでいるという。
一見すると、追い風が続いているように見える。
ただ、ニュースを読んでいて印象的だったのは、
市場が伸びていること以上に、
「暑ければ売れる」という前提が崩れ始めている
という点だった。
これまでアイスは、
気温が上がれば売れる商品だと思われてきた。
でも今は違う。
暑すぎると、人は外に出ない。
移動中に溶けるから、買うのをためらう。
つまり、猛暑は必ずしも追い風ではなくなってきた。
これは、アイス業界に限った話ではない。
経営そのものに通じる話だと思う。
売上を左右していた「前提」が変わるとき
多くの事業には、
無意識のうちに置いている“前提”がある。
- 暑ければ売れる
- 値下げすれば動く
- 店を増やせば伸びる
- 人を増やせば回る
- 今までこうだったから、これからもそうだろう
こうした前提は、
環境が安定している間は機能する。
しかし一度、社会や顧客行動が変わると、
その前提自体が事業の足かせになる。
今回のアイス市場がまさにそうだ。
「真夏に体を冷やすために買う」という需要だけでなく、
冷房の効いた室内で、
満足感のあるデザートとして楽しむ需要が増えている。
つまり、
気温ではなく、食べるシーンそのものが変わってきた
ということだ。
環境変化に強い会社は、「商品」より先に「見方」を変える
ニュースの中で面白かったのは、
各社が単純な値上げや販促強化ではなく、
商品の考え方そのものを変えていることだ。
- 夏でも食べやすい後味に変える
- 乳のコクやなめらかさを高める
- 通年で売れる商品へシフトする
- 異国感や新しい香りという別の価値を出す
これは、単に商品改良をしているのではない。
「売れる理由」を作り変えている
ということだと思う。
本当に強い会社は、
外部環境が変わったとき、
その変化を“我慢して受ける”のではなく、
前提ごと組み替えてしまう。
経営も同じ。「今までこうだった」は一番危ない
経営の現場でも、
同じことがよく起きる。
たとえば、
- 今までは紹介だけで回っていた
- この単価でもずっと利益が出ていた
- この商品構成で十分売れていた
- この人員体制で何とか回っていた
でも、ある時を境に急にうまくいかなくなる。
そのとき多くの会社は、
「もっと頑張る」「もっと売る」「もっと我慢する」
で乗り切ろうとする。
しかし本当に必要なのは、
努力量を増やすことではなく、
前提そのものが崩れていないかを見直すこと
だ。
前提を疑える会社だけが、生き残る
「暑ければ売れる」が崩れたのなら、
アイス会社は“暑さ”ではなく“食べる理由”を再設計しなければならない。
同じように、
- 値下げしないと売れない、は本当か
- 店舗を増やせば伸びる、は本当か
- 今の顧客がずっと同じように買う、は本当か
こうした前提を、
定期的に疑える会社は強い。
逆に言えば、
過去の成功体験を“真実”だと思い込んだ瞬間から、
企業は少しずつ弱くなる。
最後に
今回のアイス市場のニュースは、
「猛暑なのに売れないことがある」という
少し意外な話だった。
でも本質はそこではない。
大事なのは、
環境が変われば、売れる前提も変わる
ということだ。
そして経営において、
本当に怖いのは環境変化そのものではなく、
変わったことに気づかず、昔の前提で考え続けることだと思う。
今までこうだった。
だからこれからも大丈夫。
この発想が、一番危ない。
売れなくなったときにやるべきことは、
努力を増やすことではない。
まずは、前提から見直すことだ。
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