日本銀行が政策金利を1.0%程度まで引き上げる可能性が高まっている。
もし実現すれば、1995年以来、およそ31年ぶりの水準となる。
ニュースだけを見ると、
「0.75%が1.0%になるだけでしょ?」
と思う人もいるかもしれない。
しかし私は、このニュースは単なる0.25%の利上げではないと思っている。
これは、
日本が長く続いた“超低金利時代”から、本格的に抜け出そうとしているサイン
だからだ。
日本は「お金が安い時代」が長すぎた
私が社会人になってから現在まで、日本はずっと低金利だった。
借りようと思えば借りられる。
銀行も貸したい。
資金調達もしやすい。
ある意味、
「お金が安いことが当たり前」
の時代だった。
だからこそ、
本来なら市場から退場していたかもしれない企業も生き残ることができた。
低い利益率でも何とか回る。
借入に依存していても延命できる。
資金繰りが苦しくても借り換えでしのげる。
そんな環境が続いていた。
これから起きるのは「淘汰」
正直に言う。
私は今後、中小企業の淘汰は加速すると見ている。
理由はシンプルだ。
金利が上がるからではない。
「低金利で隠れていた問題が見えるようになる」
からだ。
例えば、
- 利益率が低い
- 借入依存が高い
- 資金繰り管理が甘い
- 原価管理ができていない
- 値上げできない
こうした会社は、これまで何とか生き残れていた。
しかし、
- 金利上昇
- 人件費上昇
- 原材料価格上昇
- 物流費上昇
- エネルギーコスト上昇
これらが重なると、利益の薄い会社から苦しくなる。
円安と物価高が静かに企業を削る
今回の利上げの背景には、
- 円安
- 原油高
- 中東情勢の緊迫化
がある。
日本は資源の多くを海外に依存している。
つまり、
円安になれば輸入コストが上がる。
原油高になれば物流費や光熱費が上がる。
結果として、
売上は維持されていても、
- 粗利が減る
- 利益が残らない
- キャッシュが減る
という状況が起きる。
経営者が見るべきは売上ではなく、
「利益とキャッシュ」
だと思う。
売上よりも「キャッシュ」が重要になる
経営の現場でよくあるのが、
「売上は過去最高です」
という会社だ。
しかし、その一方で資金繰りに苦しんでいる会社も少なくない。
なぜか。
キャッシュがないからだ。
売上が伸びても、
利益が出なければ意味がない。
利益が出ても、
キャッシュが残らなければ意味がない。
私は財務コンサルとして、
これからの時代に最も重要なのは
「利益」よりも「キャッシュ」
だと思っている。
銀行の見方も変わる
今後は銀行の見方も変わる。
今までは、
- 売上規模
- 担保
- 過去の取引実績
が重視されることも多かった。
しかしこれからは、
- 利益は出ているか
- キャッシュは残るか
- 将来性はあるか
- 財務体質は健全か
がより厳しく見られるようになるだろう。
つまり、
経営の中身が問われる時代
になる。
個人にも無関係ではない
今回の利上げは、経営者だけの話ではない。
実は私たちの生活にも少しずつ影響してくる。
まず考えられるのは住宅ローンだ。
変動金利で住宅ローンを組んでいる人は、今後の金利上昇によって返済額が増える可能性がある。
「たった0.25%」と思うかもしれない。
しかし住宅ローンは数千万円単位の借入だ。
わずかな金利上昇でも、長期で見ると大きな差になる。
物価高はまだ終わらないかもしれない
今回の利上げの背景には、
- 円安
- 原油高
- 中東情勢
がある。
つまり日銀は、物価上昇リスクを警戒している。
ガソリン代。
電気代。
食料品。
日用品。
物流費。
私たちが日常的に使うものの価格は、今後も上昇圧力が続く可能性が高い。
「貯金だけで安心」の時代ではなくなる
ここ数年で特に感じるのは、
現金の価値が相対的に下がっていることだ。
もちろん貯金は大切だ。
しかし、
100万円の価値がずっと100万円のままではない。
物価が上がれば、
実質的な購買力は下がる。
だからこれからは、
- 家計管理
- 資産形成
- 投資の知識
- 副収入の確保
こういったことが以前より重要になってくる。
「給料が上がれば解決」ではない
最近は賃上げのニュースも多い。
しかし、
給料が5%上がっても、
生活コストが10%上がれば実質的には苦しくなる。
だから本当に大事なのは、
収入を増やすことだけではなく、お金を守る力を持つこと
だと思う。
生き残るために必要なこと
企業も個人も共通している。
これから必要なのは、
変化に適応する力だ。
企業なら、
- 月次決算を早く見る
- 粗利率を管理する
- 固定費を見直す
- 借入を整理する
- キャッシュフローを見る
個人なら、
- 家計を把握する
- 住宅ローンを確認する
- 資産形成を学ぶ
- 収入源を増やす
- 無駄な支出を減らす
どちらも本質は同じ。
「変化を前提に行動すること」
だ。
最後に
31年ぶりの金利水準。
ニュースだけを見ると小さな変化に見える。
しかし経営の世界では、
こうした小さな変化が数年後に大きな差になる。
これからの日本は、
「低金利だから何とかなる時代」
から、
「本当に利益を出せるかが問われる時代」
へ移っていく。
企業にとっては財務力。
個人にとってはお金を守る力。
そして共通して言えるのは、
変化に適応できる人と会社が生き残る。
これから数年は、その差がはっきり見える時代になるのではないだろうか。
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