ワールドワイド規模で開催されていた
Pokémon GO 2023
今年は大阪での開催がキックスタートで
次にロンドンで開催され
そしてニューヨークが今年の締め括りでした。
金曜日から日曜日まで3日間に渡り行われた『Pokémon GO 2023 in New York 』は世界中から参加者が集まり毎日2万人以上の来場者でお祭り騒ぎの大賑わいでした。
『Pokémon GO 2023 in New York 』の情報はうちが契約しているフードトラック斡旋会社ローミングハンガーからもらっていて5月初旬には出店願書を提出し6月に見事選出されました。
会場はマンハッタンアッパータウンにあるランドール島
ランドール島はサッカー球場やアイスホッケースタジアムがあるほどの大きな土地で他には刑務所もあったりと、基本住人がいない島で集客数の多いこういった系のイベントには最高の場所です。
なんつったってPokémon GOだからな、栄秀丸の出番だな。
うん、間違いないね。
だけどマンハッタンだからなぁ、ニューヨーク市の許可はめっちゃ厳しいんだよ。許可証の申請は早く始めないとな。
うんじゃあ、ローミングハンガーに問い合わせてみるね。
ローミングハンガーに直ぐにメールを打ち、問い合わせました。
「許可証申請についてはPokémon GOプロダクション側からの指示待ちですのでしばらくお待ち下さい。」
なるほど、じゃあこっちは指示を待ってればいいんだね。
しかし待てど暮らせどなーんにも言ってこず、、焦りが出始めました。
ようやく8月の初めに連絡が入り、やはり懸念していた通り、他地域からの出店者はテンポラリー出店許可証が必要とのことでした。
2ヶ月前から許可証申請方法について訊いてたのに、何にも言ってこないで、今頃なんだよ〜!
うちもちゃんと調べればよかったのですが、言い訳になってしまいますが、シーズンに入ってから連日忙しかったのと友人の介護もあり、公私ともに超多忙でした。
でもそんなことも言ってられません。時間がないので、大急ぎでニューヨーク市のサイトを調べました。
すると、テンポラリー出店許可証の取得方法はニューヨーク市衛生局運営オンライン授業を1週間取った後、試験を受けてそれに合格しなければならず
合格証書があればテンポラリー出店許可証を申請できるとの事でした。
なんだよこれ!衛生局の授業は俺全部取って許可証も全部持ってるのにニューヨーク市のは別なのかよ!ニューヨーク市、ヤクザだな!ふざけてるよ!
でも文句を言ったところでどうにもなりませんので兎に角やるしかありません。
うちの旦那は毎日毎日仕事が終わった後にオンライン授業を取り勉強しました。
授業コースを全て終え、市が指定したマンハッタンにある試験会場に行きました。
Pokémon GOイベントを7日後に控えた前週の金曜日のことです。
試験会場は満員でたくさんの人が受験に来ていたそうです。もし今回の試験が受からなければ次の試験は10月までないので何が何でも受からなければなりません。
大きなプレッシャーに押しつぶされそうになりながらうちの旦那は試験に臨みました。試験問題はどういう訳かひっかけ問題が多く75点の合格ラインに達せず不合格者が続出したそうです。
うちの旦那はなんとかギリギリ合格しました。危なかった〜
しかし、合格通知はその場では貰えず、3日後にメールで送信すると説明を受けて帰って来ました。
え、3日後って、週末を除いての3日後だよね。、、間に合うかな。まあでも、合格したのはすごいね。おめでとう。
合格通知が届いたのはPokémon GOイベントの2日前でした。
その通知には
”この合格証書を印刷して店内に貼って下さい。この証書が許可証になりますので保健所監査員に見せて下さい。”
と書いてありました。
え〜!これでいいんじゃん!間に合った〜!やった〜!!
8月18日金曜日から始まるPokémon GO
ローミングハンガーから大勢のお客様に対応できるようにシンプルなメニューにするようにと言われていたので ”焼きそば” のみで勝負することにしました。
それでも2万人の来場者です。しかもフードトラックはたったの20台。
前日は二人で夜中の2時まで仕込みと準備に追われました。
早朝4時過ぎには起床し出動準備に入りました。しかし、外は雷を伴う暴風雨で最悪の天気でした。マンハッタンに向かう途中ではものすごいザンザンぶりの大雨で視界が悪く大渋滞でした。
でも7時半に現地に到着した頃には雨は止んで日が差し初めていました。
Pokémon GOの運営スタッフはディズニーランドクリュー並みのスマイルで次々と到着したフードトラックを迎え入れ会場整理担当者(デビッドという人でした。)がカートでフードトラックを一台一台所定位置に誘導してくれました。
うちの旦那も私もテンション爆上げでした。 寝不足なんか全然へっちゃらでアドレナリン分泌しまくりのせいか完全臨戦態勢に入ってました。
カートで誘導してくれた会場整理担当者デビッドが
N Y F D(ニューヨーク消防局)がインスペクションに来ますのでそれが終わるまでは火を点けないで下さい。8時15分には来ますから。
N Y F D よりも先にPokémon GO参加者たちがどんどんと来場し始めました。
ピカチュウ帽子を被った人やらポケモンキャラTシャツを来た人、ポケモンとは関係ないアニメTシャツの人、日本語のTシャツの人とキャラの濃い人たちがゾロゾロと歩いていました。
栄秀丸を見つけると
「あ、ジャパニーズフードトラック!焼きそばだ!」
とテンションを上げてました。
すみません。これからN Y F Dのインスペクションが来るのでそれが終わらないと開店できないんです。
「大丈夫です。開くまで待ってますから。私、コロラド州から来たんですけど栄秀丸のこと前から知ってました。TikTokに栄秀丸のラーメンを紹介してた人がいたんですよ。記念に一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
うちの旦那も私もまるでアイドルのようにバシバシ写真取られまくりました。
アドレナリンでテンション爆上げの私なんか調子に乗せられて、彼女がセーラームーンオタクということでしたので、”天に代わ〜ってお〜仕置きよ〜” な〜んつって言いながらポーズを決めてしまい、後から考えると寒気がよだち恥ずかしいったらありゃしません。さむっ!
そんなことをしてる間に9時を回ってしまいイベントが始まり、ゲームに参加するために皆さん特設会場に行ってしまいました。
全然こないN Y F Dにしびれを切らしているとデビッドがやって来て
「皆さんお待たせしてすみません。N Y F Dは今朝の嵐の被害で通行止になってる道路で足止めをくらい遅れるようです。なので、準備を始めて開店して下さいとのことです。でも営業途中に来るそうなのでその時にはインスペクションを受けて下さいね。」
大急ぎで準備を始めました。
開店したことに気付いた参加者たちはゲームの合間に焼きそばを買いに来てくれました。
Pokémon GOは一つでも多くのポケモンキャラを探し出しポイントを稼ぐゲームなのでフードトラック側もキャラ探しに忙しいお客様を待たせないように猛スピードでご注文をこなさなければなりません。
うちの旦那は目にも留まらぬ猛スピードで焼きそばを作りまくり次々と入る注文に夫婦で対応していたのですが、突然、N Y F Dがやって来ちゃいました。
うわ〜なんでぇ〜今〜?(心の叫び)
N Y F Dインスペクターはガス周りやジェネレーターをチェックしました。
「ニューヨーク市はジェネレーターの横に消火器を設置することが定められているので直ぐに置いて下さい。」
うちの旦那は逆らうことなく素直に消火器をジェネレーターの横におきました。
「オッケー、では、ニューヨーク市指定の消火栓査定合格タグが付いてませんがどうしてですか?」
え?査定合格タグはここに付いてますけど。
「これはダメです。”ニューヨーク市が指定” するタグがついてなければダメなんです。」
うちの消火栓はコネチカット州とニューヨーク州の査定合格を取得しているのですが、これではダメなんですか?
「ダメです。NYC(ニューヨーク市)指定のタグしか認められません。次の出店までタグをちゃんと着けて下さい。私たちは明日も明後日もインスペクションに来ますから。」
なんだそれ!州が認可した査定合格タグを市が認めないって、どういうこと ニューヨーク市って州より偉いのえN Y F Dもまたこれまた、、ヤクザ
ということで、第2日目はうちの旦那、朝からインターネットを調べまくり、N Y Cが認可する消火栓インスペクターを探しまくりました。しかも土曜日はどこも早く閉まるのでおちおちしてられません。
インターネットに載っていた情報を頼りに、うちの旦那、ニューヨーク市内まで車を飛ばしました。
午後1時過ぎごろ旦那から電話がありました。
おい、取ったぞ!ロングアイランドのウェアハウスに消火栓インスペクターがいることを突き詰めて貰ってきた。
凄い〜!あんたクイーンズ地区からロングアイランドまで行ったの?随分広範囲を走りまくったね。またしてもミラクルを起こしたじゃないの!エライ
2日目は出店できませんでしたが、もうこうなったら最終日、がんばるっきゃありません
またしても夜中過ぎまで大量の焼きそばを仕込みました。
8月20日Pokémon GOイベント最終日は最高の天気です。
張り切って7時には現地に到着しました。
でも何故か今日は初日とは様子が少し違います。少し重々しい空気が流れていて会場スタッフ達からディズニーランドクリュースマイルが消えていました。
あれ?どうしたんだろう?もしかして、昨日、うちみたいに許可証関係の問題が続出したのかもね。
入り口で案内待ちをしていると会場整理担当のデビッドが来ました。
「やあ、君たち!消火栓のNYCタグが取れたんだね?!よかった〜!それと昨日から保健所インスペクションが始まったんだけどテンポラリー出店許可証もあるよね?」
はい、もちろんです。
「よかった〜、君たちのメニューは大好評だったからね。じゃあ、担当者が書類を確認するからここで待ってて。」
間も無く担当者が来ました。
「メニューに生魚はありませんよね?」
このイベントでは焼きそばしか作りませんので生魚のメニューはありません。
「N Y F Dの指定する消火栓タグは着いてますよね?」
はい、昨日はそのタグを求めて町中駆け巡りましたよ。苦笑
「テンポラリー出店許可証を見せて下さい。」
はい、これになります。
衛生局から送られて来た書類を見せると、
「これはテンポラリー出店許可証ではありませんよ。これ以外の書類はありませんか?」
いえ、でも、ここにほら、”この合格証書を印刷して店内に貼って下さい。この証書が許可証になりますので保健所監査員に見せて下さい。” と書いてるでしょ?
「あら、本当ね。調べて来るのでここで待ってて下さい。」
嫌な予感がしました。
結果、この書類では足りないとのことでした。やはり最初に調べた通り、この合格証書がテンポラリー出店許可証の申請条件だったようで、合格証書が届いてから改めて出店許可証を申請しなければならなかったようです。
でも、申請が受理されて許可証が届くまで最低1週間はかかるそうで、合格証書が届いたのがイベントの2日前でしたので、最初から無理だったんです、、、
ローミングハンガーに2ヶ月も前に必要書類について問い合わせていたのに〜 ひどい〜l
ま、でも、考えようによっては、許可なしで初日は商売させてもらい、とても良い経験ができたので、ラッキーだったのかもしれません。
それに今回の怒涛のような経験を通しニューヨーク市の許可証申請方法を学び、かなり詳しくなりました。ニューヨーク市が如何にヤクザな街だという事も痛感いたしましたし、こういう事ってこの界隈で商売するには必要な知識だと思います。