0815
君が指を差した方向を見ると、そこには綺麗な満月が浮かんでいた。
もう二度と、あんなに綺麗な月は見れないんじゃないかな。と、思ったら目頭が熱くなった。
真っ直ぐ進む君の背中を横目に僕は、カフェに入り、君が来るのを待ったっけ。
このカフェも、二度と来ないかもしれないな。なんて思いながら、僕は本を読まずに店内を、
眼に焼き付けたっけ。一分、一秒が物凄く長くて、珈琲も煙草も、味がわからなかった。
君から連絡が来て外に出ると、君が運転する車に乗りこんだ。
何もかもが初めてで、なんだか物凄くどきどきしたっけな。
車を運転する横顔も、見慣れない服装も、リラックスした表情も、全て君だった。
勝ち誇るような話し方も、おどけた口調も、全て君だった。
何も決めずに、ただただ車を走らせて、夜の街に僕らは溶け込んでいった。
そして、朝が来るのを物凄く惜しむように僕らは抱き合った。
何度も、何度も抱き合って、疲れ果てて眠ったね。
今夜は何故かあの満月の日を、想い出す。


