01342 |   夜明け前。

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大雨の土砂降りの中、傘もささないで歩いてたんだ。僕ら、二人の土曜日の夜。

鞄の中のケイタイや、財布だったり、何もかも、びしょ濡れになってしまったし、靴なんか重くって歩くのも大変だったっけ。でも、あいつはケタケタと大笑いしたりしてたっけ。まるで、ドラマみたいだ。って。ドラマだってここまでびしょ濡れのシーンなんかないよ。って僕は少しだけ意地悪な事を言ったのに、あいつはケタケタって笑ってたっけ。歩いて、歩いて歩きつかれて。もう、どうでも良くなっちゃって、さ。滝にでも打たれてる感覚で道端に座り込んだりもしたっけ。どうしようもない位びしょ濡れになってしまったら、もう、どうだって良い気分になってしまった。ケイタイ電話だって。日曜日、君からの連絡が入るかもしれないけれど、その時は、その時だ。って、想う程。もう、今更どうしようもないって程、濡れてたんだ、僕ら。そして、この雨がシャワーのように想えてきちゃってさ、もう頭なんかくしゃくしゃになるまで振ってみたりしてさ。両手を広げて雨を受け止めてみたりしてさ。ケタケタにやにやしながらさ、過ごしたんだよな。俺ら。まったく間の悪い土曜日の夜だった。びしょ濡れのまま、シャワーを浴びたら、もう、なんだか外なんだか家の中なんだかわかんなくなったら可笑しくて一人笑った。熱いシャワーで身体を温めて、そういや、ケイタイどうなってんだろうって、鞄の中を探したら、ちゃんと普通に動いてました。不幸中の幸いってやつ。あいつにすぐに電話をして、さっきまで一緒に居たのに、電話で1時間もしゃべったんだ。久しぶりだったな。こんなのって、さ。学生の頃みたいな気分になった。サンジュー過ぎた男二人で、何やってんだか、な。俺ら。まったく。どうしようもねぇ、な。俺ら。相変わらずだな、俺ら。





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