01147 |   夜明け前。

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歩道橋の一番てっぺんに、君が待ってるような気がしたんだ。

そんな事などあるはずないけど、いつだったか、君が歩道橋で待ってたのを、想い出した。

あれは、西新宿の都庁が見える歩道橋だったっけ。カメラと、煙草を持って、二人で、散歩したんだっけ。

今年じゃないね、去年の夏か。新宿中央公園で、歌を歌いながら歩いたっけ。スキップしながら。今年の夏は、君と海に行ったよなー。車で、ドライブなんかしちゃってさ。ああ、懐かしい。夏が、懐かしい。そして、夏が恋しい。来年の夏も、君と一緒に過ごせるかな。先の事は、誰にもわからない。そう、僕もわからないし、きっと君だってわからないから、今を、大事にしたいんだ。今を。でも、その、今を大切にしたい君は、今は横にいない。横にいないけれど、僕の胸の真ん中に、いるから、今夜は、大人しくしよう。



歩道橋の真ん中に、君が居るんじゃないかなって、想いながら、僕は、ゆっくり、ゆっくり、上に登る。

君がいないのは、わかっているのに、何故だか、どきどきしてしまうんだ。