0547 |   夜明け前。

0547





rain



昨日から、降り止まない雨。

雨音ばかりが耳につく。


明日も、雨のようだよ。梅雨じゃないのに、なんだか梅雨のようだ。

春の雨は、しっとりしていて優しい雨のはずなのに、なんだか今回ばかりは違うようだ。

物凄く冷たくて、何もかも黒い雲で覆い隠されているように、見えてしまうんだ。




『この靴を履くと、必ず雨が降るんだ。』

そう、靴を眺めながら言ってた人を思い出した。

そういうのって、何かの縁ですよね。と、返事したのを覚えてるけれど

その人は、凄く嬉しそうで、哀しそうな顔で微笑んだっけ。



『傘がないなら、濡れれば良い。』

そう、君は言ってたっけ。

新宿歌舞伎町で、君も、僕も大笑いしながら歩いたっけ。



『雨が降ってるから、会えない。』

雨が嫌いな貴女は、僕にそう呟いて電話を切った。




あと1時間弱で、木曜日。

このまま雨が続くなら、きっと僕はこんな気持ちを抱えて

かたつむりに、なってしまう。

そしたら、君はあじさいになってくれるかい。