女性2人への忌避感の受け皿は石丸氏

40歳、無党派層の主人のイチ押し

 

1年ぶりの神田日本酒処「季っ酔」

 

 上京したときの定番の日本酒処といえば、神田にある「季っ酔」なのだが、行こうとしたら店が休みだったりして、のれんをくぐるのはほぼ1年ぶりのことだった。

 

 40歳前後の若い亭主がひとりで切り盛りしていて、料理はおまかせのコースに日本酒が2時間飲み放題で6000円。全国の銘酒に通じた亭主の選んだ酒はなかなかの粒ぞろいだ。

小さな店の中は日本酒がギッシリ

 

 こちらの味の好みも、少量で多くの銘柄を飲みたいというわがままも承知の上。日本酒のチョイスは安心して任せておけば、出て来る料理に合わせた味わいのものをグラスに3勺(0.3合)ばかり注いで出してくれる。

 

 1年ぶりということで、その間に飲んだ酒の話から、訪ねた酒蔵の話等々、調理と接客でてんてこ舞いの合い間を縫って相手になってくれる。

 

月山(島根県、左)、七ロ万(福島県)

 

 上野駅で都知事選に立候補している石丸伸二さんの街頭演説を聴き、その足で店を訪ねたその日、亭主の様子がどこかうれしそうだった。あれこれ話をするうち、とうとう我慢できなくなったのか、「実は2、3日の内に初めての子供が生まれるんです」と自ら切り出した。

信州亀齢(長野県、左)、萩乃露(滋賀県)

 

 上野で石丸伸二さんの街頭演説を聴いてきたのだというと、亭主が「僕、必ず投票に行こうと思っています。票を入れるのは石丸さんです」と我が意を得たりと身を乗り出してきた。

MUGEN(神奈川県、左)、写楽(福島県)

 

 「僕たちの世代、あるいはもっと若い人で、あの女性ふたりを積極的に選ぼうという人はいませんよ。他に選択肢がないという消極的なチョイスをするしかない。だから投票に行く足も鈍るんです」

 

 「でも、ここへ来てその受け皿として石丸さんはありだと思うんです。投票率が上がれば、石丸票は思わぬ伸びを見せるかもしれませんよ」

 

スーパーくどき上手(山形、左)、荷札酒(新潟)

 

 都知事選の話題で盛り上がり、出て来たグラスを飲み干すピッチも上がる。

 島根県安来市の「月山」の夏酒を皮切りに、会津の「七ロ万(ななろまん)」、「写楽」、地元産の山恵錦という米を使った信州上田の「亀齢」、デストロイヤーのマスクのようなラベルが目をひく茅ケ崎の「MUGEN INFINITY」、琵琶湖西岸高島市の「萩乃露」、これもラベルが人気の新潟「荷札酒」、山形の「スーパーくどき上手」、山口県美祢市の「大嶺三粒」に最後は糸魚川の「サビ猫ロック」と、10銘柄を堪能した。

大嶺三粒(山口県、左)、サビ猫ロック(新潟)

 

 亭主の第一子は女の子だという。次に店に行く時は、誕生祝いをぶら下げてささやかに乾杯することにしよう。