あてもなくビル4階の日本酒酒場にふらり

全国の銘酒、魚中心の肴を堪能できた

 

 

人気抜群の新政の特別銘柄がズラリ

 

 清川カントリークラブでのゴルフは行き帰り、同窓会の先輩の送迎に甘えることになっていた。ドライブルートの関係で、新横浜駅での送迎が好都合ということで、駅近くのホテルに泊まることにした。

 

 デイリースポーツのプロ野球記者時代、担当チーム(阪神、広島)に同行して横浜スタジアムには何度となく出張している。現在の横浜DeNAベイスターズが、前身の横浜大洋ホエールズを名乗っていたころだ。

 

 新横浜駅で新幹線を降り、電車を乗り継いで担当チームの宿舎最寄りの関内駅へ。当時は担当記者もチームと同じホテルに泊まっていた。横浜スタジアムや中華街は歩いてすぐの場所、仕事が終わっての食事も遊びも、すべて関内近辺で事足りていた。

 

楯野川(山形)=左、加賀鳶(石川)

 

 というわけで、横浜に仕事で初めて足を踏み入れてから45年になるというのに、玄関口の新横浜駅界隈では泊ったことも、食事の一度もしたことがないということにあらためて気がついた。

 

鹿児島きびなごの唐揚げ

 

 ゴルフ前夜の夕食という時間になって、ホテルから出たもののどちらに向かって歩き出したものか、どこにどんな店があるのか、皆目見当がつかない。

 

鹿児島産アゴのなめろう

 

 仕事帰りの人の流れをうかがいながら、ぶらぶら歩いていると、どうやら日本酒が飲めそうな小ぢんまりした店が、飲食店ビルの4階に見つかった。当たりか外れか、賭けてみることにした。

 

刺身5種盛り

 

 賭けは当たり。看板銘柄にしている「新政」(山形)の特別酒がズラリ並んでいるほか、全国各地の銘酒が数十種類、取り揃えられていた。いの一番に新政を勧められたが新政の特別酒にだけは値段が書かれていない。適当にごまかして、気になったほかの銘柄を4種、グラス(100ml)で注文した。長崎・壱岐の「よこやま」は見るのも初めてだ。

 

よこやま(壱岐)=左、松みどり(神奈川)

 

 料理は魚を中心の品揃えだった。鹿児島のきびなごの天ぷら、同じく鹿児島のアゴ(トビウオ)を使ったなめろう、刺身の盛り合わせも気が利いていた。「とりあえず」のビール1本と日本酒4種合わせて2合余り。

 新横浜初体験の夜は、ちょうどいい塩梅のほろ酔い加減で暮れた。