68歳の自称「鉄爺」はおこがましい?

毎週プレー、余裕のホールアウトに感心

 

ニクラウスのこだわりが詰まった1番ホール

 

 スタート前に、今回2組8人でのプレーをセッティングしてくれたコースのメンバーでもある岡山県立高梁高校同窓会の大先輩と朝食をとりながら清川カントリークラブのコースについて話を聞かせてもらった。

 

 丹沢山地の山すそに位置するロケーションもあって、余裕のある広い土地を利用できたわけでもなく、トータルの距離は短い設定にならざるを得なかった。その代わり、グリーンの起伏、傾斜、バンカーの配置など、一定の難易度を確保するための工夫はあちこちに凝らされており、思わぬところで大叩きをしてしまうこともあると笑いながら聞かされた。

 

コースの手入れは抜群だった

 

 ちなみにこの先輩というのは、御年なんと90歳。現在でも毎週土曜日には、東京都内の自宅から自分の車で1時間以上かけてコースに通っていると聞いて仰天した。22歳も年上の鉄人を前に、鉄爺の看板などとても恥ずかしくて揚げていられない。

 

 スタートとなるアウトコース1番ホールは約300㍎と短い距離のパー4、ミドル。ティーグラウンドからグリーンまで、ずっと打ち上げる格好になるが、一見しただけではそれほど難しいホールのようには見えない。

ところがこのホールのハンディキャップは「1」。つまり18ホールの中で一番難易度が高いという設定になっている。

 

 同行したこのホールのメンバーから「ここはコースを設計したジャック・ニクラウスが世界でも一番好きなホールのひとつだ、と言っていたらしい」と聞かされた。

 

 コース自慢の「007」グリーンは速く、せっかくオンしたボールがパットの強さを間違えるとグリーンの外に転がり出てしまうようなシーンも自ら体験することになった。

関西の山間コースを思わせるホールも

 

 コースに着いた時に感じた「関西風のコース」という第一印象は間違ってはいなかった。コースのアップダウンは大きいし、ショットの落としどころに悩まされる狭いホールもある。その点でもコースを知り尽くした大先輩の存在は実に心強かった。

 

コース一帯のランドマーク、大山

 

 コースそのものの話はさておき、キャディーをはじめフロント、レストランのスタッフのきめ細かな心遣いはさすが。そしてそれより何より、90歳になる大先輩のかくしゃく、毅然としたプレーぶりに接することができたのが何よりの土産であった。

「またいつでも遠征してきなさい」。別れ際に笑顔でかけてもらった言葉もまた。