神奈川県の清川CCで初ラウンド

259コース目は「568」の半分にも…

 

初めて訪れた神奈川・清川CC

 

 曾我廼家五郎八という喜劇俳優をご存知だろうか。

 1902年生まれで、1998年に95歳で亡くなっているので、名前を聞いてあの面長のやさしい笑顔がパッと頭に浮かぶ人はもう多くはないかもしれない。

 

 あれは私がゴルフを始めてしばらく経った頃のこと、30歳ぐらいだっただろうか。ということは五郎八さん80代半ばの頃ということになる。

 

 何かのテレビ番組でインタビューを受けているのをたまたま見かけた。「これからの夢は?」そんな質問だった。それに対する答えを聞いてビックリした。

 「私の夢は名前(五郎八=568)と同じ数のゴルフコースをラウンドすることなんです。もちろん世界を回ってね」

 

 80代半ばのその時点で、五郎八さんが山にたとえればその目標の何合目に達していたのだったか、残念ながら覚えていない。あわせて果たしてその夢が成就したのかどうかも。

 

 五郎八さんのゴルフ好きと凝り性なところは知る人ぞ知るところだったらしい。それにしても568のゴルフコース…。途方もない数字が妙に記憶にすり込まれている。

 

初コースの1番ホール、緊張がつきもの

 

 先日、神奈川県にある「清川カントリークラブ」という初めてのコースでプレーする機会に恵まれた。五郎八さんの言葉を聞いてから、コースをラウンドする度にその名前をパソコンのリストに留めるようにしている。

 

 仕事を離れてからは、プレーするのは兵庫県、岡山県のなじみのコースがほとんどになった。そのリストに新しいゴルフコースの名前を書き加えるのは久しぶりのことだ。

 

 数えれば259カ所目のコースということになる。568に比べればまだまだ半分にもはるか満たない。あらためて五郎八さん夢の壮大さに思いをはせる。

 

 あらためてリストをチェックしてみると、回ったコースは国内では47都道府県の内の38都道府県に及び、これにいくばくかの外国のコースが加わる。そのうち、仕事がらみでプレーする幸運に恵まれたコースも少なくない。

 

 清川CCでのプレーに誘ってくれたのは、高校(岡山県立高梁高校)の同窓会の東京支部のみなさん。東京を訪ねるついでにメンバーに加えてもらった。

 

 何をいまさらという年齢だが、いまだに初めてのコース、スタートのティーグラウンド、最初の一打にはとても心地よい緊張感がある。259回目のファーストショットは…。