三つの難題に腕組みが続く中で…

岡山由来の映画が封切りに

 

 「近畿おかやま会・県人会・同窓会連携強化委員会」と書くとものものしいイメージになるが、要は近畿地区においてそれぞれで会員を集め、活動している県人会、同窓会の横の連携を密にすることで、先細りになりがちなこうした親睦組織の活性化につなげようという目的の集まりだ。

 

 開催は年に一、二回。各組織の責任者が出席して意見や情報を交換し、終了後は懇親会で交流を深める。6月初めに大阪で今年1回目の委員会が開催された。

 

 事務局を務める岡山県大阪事務所の資料によると、近畿地区で現在把握されている県人会は8組織、大学・高校の同窓会は27組織。今回の委員会開催の案内に対して6組織が未回答、あるいはすでに休会中。欠席の返事があった中でも4組織がコロナ以降、実質の休会中というのが厳しい現実のようだ。

 

 というわけで、今回の委員会には16組織から18人が出席。これに近畿おかやま会、事務局の出席者を合わせて24人での会議となった。

 

 配付された資料に目を通してみると会員数は大は3千人から小は29人まで。活動のメーンは年に一回の総会開催で、180人が集まるところもあれば20人足らずで続けているところもある。

 

 規模の差は致し方のないところとして、各会が頭を悩ませている課題には共通する部分が多い。

 

 ※そもそもふるさとの自治体自体が少子高齢化しており、近畿地区に出て来る者がいない。新入会員は最近10年間ゼロ。この間に平均年齢が10歳上がった。自然消滅は近い

 

 ※郵便を中心とした通信費の負担が大きい。連絡ツールをメールに切り替えようとしているが、使えないという高齢者の離脱が発生している

 

 ※若手会員を掘り起こそうとしているが、個人情報保護の流れで学校側からの名簿、進学・就職先などの情報提供がなくなった

 

 ※学校側も生徒数減で財政が厳しく、続けられてきた同窓会への補助が打ち切られた

 

 ※コロナによる中断は弱り目にたたり目。参加者がコロナ前に比べて半減した

 

 とりまとめれば、高齢化、若者離れ、個人情報の秘匿化という3点がほぼどの会でも共通する難題ということになりそうだ。

 

 その状況下、それぞれが工夫して取り組んでいる対策なども併せて紹介されたが、打ち出の小槌などあるはずもなく、腕組みをしたむずかしい顔が並ぶ。

 

 そんな中で、突然場の雰囲気がパッと一変するような情報がもたらされた。今回の出席者の地元が舞台となる映画が2本、同じ時期に公開されたのだ。