プレーオフ進出ならずも

動員ノルマ達成で光も射す

 

神戸ベイエリアに来年春完成予定のジーライオンアリーナ

 

 神戸市スポーツ協会の一員として、一年間見守ってきたバスケットボールB2リーグ、神戸ストークスの2023-24シーズン最終戦が4月21日に終わった。


 年間成績では水を開けられている熊本を相手に84-83の1点差勝利を飾ったが、29勝31敗で西地区5位に終わり、最終戦まで静岡と争っていたプレーオフ進出も逃す結果になった。


 これを受けて2年間チ-ムを指揮してきた森山知広ヘッドコーチが退任。本拠地を同じ兵庫県の西宮市から神戸市に移して盛り上がっていたシーズンの結果は残念なものになった。


 しかしその2日後にはこれに勝る朗報が届いた。2024-25シーズンのB1ライセンスが二次審査の結果、神戸に交付されることが発表になったのだ。一次審査では財務面の再チェックを理由に継続審査となっていた。


 Bリーグは2026年から、世界に通用するリーグを目指してBリーグプレミアを頂点とする三部制に進化発展する。スタート年のプレミアは18チームで構成される予定で、各チームが参入を目指してしのぎを削っている。


 その審査は、成績だけによるものではない。財務、施設、動員力など、チーム全体としてのレベルをシビアに評価するもの。神戸には2025年4月に開業予定の新アリーナ、ジーライオンアリーナ神戸(1万人収容)という強い追い風はあるが、その他の評価項目についてはここからが勝負となる。


 その点、小学生の無料招待など、あれこれの工夫を凝らした結果、4月20日、21日の熊本戦では2日連続でクラブ最多入場者記録を更新。シーズンを通しての本拠動員数が91421人と1試合平均3000人をクリアした実績は小さくはない。


 野球、サッカーに続けと、ここ数年様々なスポーツが本格的なプロリーグ化に挑んできた。バスケットボール、ラグビー、バレー、卓球…。どのスポーツも競技レベルが格段に上がってきたことは明らかだが、観客動員、ビジネスの面での成功例となりえているかというと、うまくいっていると一概に括ることはできないのが現実だろう。


 神戸三宮のベイエリアに足を運ぶと、7階建てという巨大なアリーナが着々とその姿を現しつつあるのが目の当たりにできる。収容1万人の器を手に、動員3000人達成でひと息ついているわけにはいかない。