聖地初体験のお上りさん

旧軽銀座通りランチ体験

 

旧軽井沢銀座通りも中心は外国人観光客

 

 旅行2日目の4月21日は、「千曲館」を後に、グループ5人中4人が初体験という軽井沢を目指した。上信越自動車道に乗って約1時間、左手に浅間山を望みながらのドライブになる。標高2568㍍、山頂付近から立ち上る噴煙、西日本ではお目にかかれない迫力の山姿に一同、車中で息を飲んだ。

高速を降りると、途端にナビが渋滞情報を伝えるようになる。日曜日とあって道路を走る車の数が多い。両脇には林の間に別荘風の建物がびっしり。さすが日本有数のリゾート地だけのことはある。

 最初にナビに入れてあったのは、ショッピングセンターの中にある「御菓子処花岡軽井沢店」。メンバーの中のひとりが「是非、ここの『胡桃の醍醐味』というチーズケーキを」という銘柄指定の土産の注文を受けていた。広大なショッピングセンターに入ると、買い物をする客の雰囲気が普通のスーパーとは違うことがすぐにわかった。

 観光客なのか、別荘の滞在者なのか、おしゃれなカジュアルウェアに身を包んだ中高年の男女がカートを押している。目的の「花岡」の店舗はすぐに見つかり、全員で持ち帰り用の土産に「胡桃の醍醐味」を買い込んだ。

 再び車に乗って、次に目指したのは軽井沢観光のメッカともいえる旧軽井沢銀座通り。上高地、善光寺に続いてここもインバウンドだらけだったことは言うまでもない。ランチはそばで、ということは戸倉上山田温泉を出る時から決めていた。

 長い行列のできた店もあったが、それらは避けてブラブラするうち、「寒ざらし十割」という幟の立った「そば処大善」という店が目につき、そこに入ることになった。

「寒ざらしそば大盛り」は2500円也

 

 「寒ざらし」とは…。悩む間もなく高齢の女性スタッフがテーブルにやって来て、たっぷり蘊蓄を語ってくれた。そばの実を厳寒期の清流に約2週間浸し、その後寒風にさらして乾燥させる。この寒さに耐える過程でそばの実に甘さが生まれるのだそうだ。

 寒ざらしそばは1600円、大盛りにすると2500円と言われてドキッとした。普通のそばメニューの倍の値段だ。それでもせっかくなので全員「寒ざらしそば大盛り」を注文した。

 ゆで上がったそばを運んできた先ほどの女性から、食べ方を細かく指南された。まずそばに鼻を近づけて香りを嗅いでほしい。次に箸の先に摘まんだそばにわさびを乗せ、岩塩を軽く振りかけて食べてみてほしい。その後はつゆで普通に…。

 言われるがままにこの作法に従ってそばを口に運んだ。全員、そばにそれほど詳しいわけではない。香り?なるほど、岩塩?なるほど…。おいしいそばであることは間違いない。しかし、その一方で「そば一杯が2500円!?」という思いが頭を離れない。

さすがは天下の軽井沢、ということでこのランチ体験を締めくくるしかなかった。