ドリームチームの思い出

バルセロナ最大のスター

 

 メジャー・リーグ初の黒人選手、ジャッキー・ロビンソンがデビューした4月15日を記念して、全チーム、全選手がロビンソンの背番号「42」のユニホームを着てプレーするというおなじみのセレモニーの日、ドジャースの大谷翔平が並んだツーショットの相手を見て、頭がとろけそうになった。

 マジック・ジョンソン!!

 彼がドジャースの共同オーナーであるという登場の理由はさておき、プロバスケットボールリーグ、NBA伝説のスターのひとりであるマジック・ジョンソンと肩を並べる大谷。あらためて大谷がいま置かれているスーパースターとしての立場を実感することのできた一瞬。脳裏には1992年のバルセロナ五輪、現地で体験した狂騒が鮮やかによみがえった。

                                        

 バルセロナ五輪における最大の話題は、男子バスケットボールに初めて送り込まれた世界最高峰のNBAのスター軍団、ドリームチーム。その中でも、マイケル・ジョーダンとマジック・ジョンソンという2大スターの存在感は別格だった。

 

クリスチャン・レイトナー(デューク大)

デビッド・ロビンソン(スパーズ)

パトリック・ユーイング(ニックス)

ラリー・バード(セルティックス)

スコッティ・ピッペン(ブルズ)

マイケル・ジョーダン(ブルズ)

クライド・ドレクスラー(トレイルブレーザーズ)

カール・マローン(ジャズ)

ジョン・ストックトン(ジャズ)

クリス・マリン(ウォリアーズ)

チャールズ・バークレー(サンズ)

マジック・ジョンソン(レイカーズ)

 

 32年経ったいまでも全員の名前と顔、プレーのスタイルが思い出せる。それほど、知名度と個性に溢れたスター軍団だった。

 バルセロナの地元紙は連日、ドリームチームの動向を1面で伝えた。チャーター機の機内で、巨人たちがシートを倒して寛ぐ写真が1面を独占した新聞を街角の店で買い、宝物のようにホテルに持ち帰った。

 バルセロナ入りしたドリームチームの宿舎は、目抜き通りにある高級ホテル。オリンピック期間中、このホテルはなんとドリームチームの貸し切りだった。メディアパスをもってしても中には入れない。道路からホテルを見上げながら、毎日胸をドキドキさせていた。