昨秋コンセプトカー発表

35年前の愛車に心が動く

鉄爺とデートカーのミスマッチ?

 

昨年ホンダが公開した「プレリュード・コンセプト」

 

 3月半ばにこのブログにアップした「70歳でスポーツカー!?」で、2ドア、ほぼ2人乗り、マニュアルトランスミッション(MT)という大胆な新車選択に揺れる車好きの高齢者の心情を打ち明けた。

 その迷いにさらに拍車をかけるような情報がこのところネットで飛び交っている。

 「ホンダ・プレリュード」が復活するというのだ。

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 「ホンダ・プレリュード」。忘れもしない。会社に入ってすぐ、親に借金をして購入した中古車の後、生まれて初めて購入した新車がこの車だった。

 そのきっかけはテレビで流れていたCM。ラヴェルの「ボレロ」に乗って、枯れ葉の舞う道に姿を現す1台の車…これがしびれるほどカッコよく、半ば衝動的にディーラーに走ったことを覚えている。

 プレリュードは当時人気のあったスペシャリティカー、デートカーと呼ばれたジャンルを代表する車だった。スポーティーな外見だが、性能、機能はガチガチにスポーツに振られてはいない。スポーティーな雰囲気を楽しむため、そんな目的にかなう車だった。トヨタにはセリカ、日産にはシルビアというライバルがいた。

 2ドア、後席は小さな2座、私が買った2代目はリトラクタブルライトといって、格納方式のヘッドライトがシンボルだった。ボタンひとつでスライドするサンルーフもついていた。1800CCのエンジンに5速MT、車高は低く、それなりにスポーティーなムードは楽しめ、いま振り返ってもお気に入りの1台だった。

 そのプレリュードも時代の流れの中でさっぱり売れなくなり、2001年を最後に生産が中止された。20年以上の歳月を経てそれが復活する?この時代に?

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 話題のきっかけとなったのは、昨年10月に開催されたジャパン・モビリティ・ショー。ここにホンダが「プレリュード・コンセプト」と銘打った車を展示したのだ。それはかつてのプレリュードの流れを汲む2ドアの流麗なクーペスタイル。もちろんモダナイズされていて、目を引かれた。これもいまどきで、エンジンとモーターを組み合わせて動力源としたHEV(ハイブリッド車)になるのではないかという噂がもっぱら。当然ながら手動シフトなんてことはありえないだろう。気の早い向きはこの秋にも発売されるのではと煽り立てている。

 さて、それが本当なら、人生で初めて手にした新車に古希を前に回帰するというロマンチックな選択の可能性は大いにありだ。いまさら鉄爺にデートカーが似合うかどうかという雑音には耳を塞ぐことにする。