取り違えと思っていたら…

盗難だった!?サブバッグ

 

 3月23日にアップした「ゴルフ場あるあるの大騒ぎ」に思わぬ展開が発生した。

 話はゴルフ仲間が、あるゴルフ場でラウンド中に持ち歩くサブバッグを他の客に持ち去られたという出来事。自動精算機で支払いをしている間に、近くに置いたバッグが持って行かれる様子がフロントの防犯カメラに写されていた。

 コースの方で人物も特定できたが、問い合わせは当事者同士でとボールを預けられ、その友人はあきらめて新しいバッグを購入した、という話だった。

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 たまたま数日後、同じゴルフ場、同じメンバーでプレーすることがあった。その友人がその時に世話になったスタッフを見つけ「その節は色々お世話になりました」と礼を言ったところ…。

 「実は…」とそのスタッフが言いにくそうに後日譚を打ち明けてくれた。

 話し合いは当事者同士で、と預けたものの、コースとしても責任を感じるところがあり、そのバッグを持ち去った客に電話をかけたというのだ。ただし物言いは慎重の上にも慎重を重ねた。

 「あのお…サブバッグの忘れ物がありまして…。お心当たりはないかと」

 紛失の当日、友人は間違って持ち去られたものと考えていた。ひとつ不思議だったのは、間違ったものなら残っているはずのその人物のバッグが残っていなかったという点だった。ただ、あっさりあきらめがついたので、その点をそれ以上掘り下げることもなかった。

 スタッフは電話をかける口実として、忘れ物のバッグが残されていたという事実とは違う話を投げかけたわけだが、相手の反応にがく然とした。

 「僕はサブバッグは使わないので、そもそも持ってないから、それは別の方のものだと思います」

 電話はそれで終わったが、その会話を持って友人のサブバッグを持ち去ったのが故意であること、つまり盗み去ったということがハッキリしたわけだ。

 その告白を聞いて、友人をはじめ居合わせたメンバーは一瞬、声を失った。取り違えたものと解釈していた善意は見事に裏切られたことになる。

 「どうしましょうか。これ以上の話となると警察に相談することになりますが…」

 その日、すでに新調したサブバッグでプレーしていた友人は「いや、もういいよ。これ以上面倒に関わりたくないから」とあっさり話を打ち切った。

 ゴルフ場での道具の紛失というのは、少なくはない。特にクラブの抜き取りは、また別のゴルフ仲間が目の前で被害に遭ったのを目撃した経験もあり、自分なりに気をつけてはいる。

 それにしても持ち主が自動精算機に向かっているそのすぐ背後で…。

 顔から服装から、しっかりカメラに写っていますよ。