台湾料理「味仙」のイチ推し

こぶくろにビール止まらず

 

名古屋「味仙」のイチ推しは「こぶくろ」

 

 現役のトラ番記者時代ならいざ知らず、名古屋を訪れるチャンスがそうそうあるわけではない。

 というわけで東京からの帰りに立ち寄った貴重な機会に、とばかりに何はさておいても訪ねたい店にもう一軒足を向けた。

 いまや、知る人ぞ知るという表現は失礼か。名物の台湾ラーメンのおかげで全国に知名度を広げた台湾料理「味仙」。今回は時間的に今池の本店に行く余裕がなく、名古屋駅構内の店に向かったが、開店を前にすでに長蛇の行列ができていた。次に狙ったのは名古屋駅前にある大名古屋ビルヂングというオフィスビルの中にある店。

 午前11時の開店直後だったが、こちらも行列状態だったが、名古屋駅店に比べるとそれほど待たされずに済みそうだった。列に並んで待つこと15分。席に案内され、まずはビールと「こぶくろ」を頼んだ。

 デイリースポーツの阪神担当(トラ番)記者時代、中日ドラゴンズ担当の先輩記者に連れて行ってもらってから43年。いくつかある名古屋に来ると外せない店の筆頭格。その中でも豚の子宮を茹でて唐辛子ベースのタレに漬け込んだ「こぶくろ(子袋)」は最高の一品だ。

 

「味仙」の金看板、台湾ラーメン

 

 軟らかくもあり、プリプリとした歯ごたえもあり。舌にびりびり響く唐辛子の刺激のおかげで、この「こぶくろ」が一人前あれば、ビール3本は軽い。

 〆はもちろん台湾ラーメン。43年前に尋ねた時は場末感のある店だった今池の本店は、この台湾ラーメのおかげで、いまは行列の絶えない立派なビルとなった。

 東京帰りに途中下車して立ち寄った名古屋での至極のランチ。年に一度程度の出会いしか実現できないのが悔しい。