こだわりの酒とつまみ

駅前横丁の「かりなり」

 

名物の熟成豚ネギマ

 

 東京からの帰り道、名古屋で途中下車した。

 二度目になるがちょっとのぞいてみたい店があった。

 

「雪男」本醸造(青木酒造=新潟県南魚沼市)=左、

「白老」若水純米酒六割五分磨き(澤田酒造=愛知県知多市)

 

 名古屋駅を桜通口の方に出て、錦通を伏見方向に5分余り歩くと、右側に古くて小さな2階建ての「駅前横丁」という飲み屋ビルが見えてくる。階段を上がったところに、お酒とおかず「かりなり」という居酒屋がある。「コ」の字型のカウンター席が20席ばかり。予約は受けていないが、年中無休、3時開店というのがありがたい。

 自家製のクラフトビール、日本酒は日替わりで4銘柄、料理は細かな手間をかけて工夫されたメニューが並ぶ。

 

 

手前はどて煮と菜の花のごまあえ

 

 いつも売り切れ必至なのは、1週間熟成させた豚肉を串焼きにした「熟成豚ネギマ」。「どて煮」を頼むと紅ショウガの千切りをさっと油で揚げたものが添えられていて、見事な味のアクセントになっていた。野菜メニューの凝り方も是非お薦めしたい。

 

「鶴齢」特別純米(青木酒造=新潟県南魚沼市)=左、鳥皮せんべい

 

 男女を問わず、ひとり飲みの客が多いのもこの店の特徴。スタッフとの会話を楽しむ人もいれば、一人黙って本を読みながらグラスを傾けている人もいる。ちょい飲みよし、腰を落ち着けるのもよし。わざわざ立ち寄る価値は十分にある。