今は亡き中村勝広さんの遺産
阪神OBとトラ番OBが和やかに
2月27日に「バーボン会」というゴルフ仲間のコンペに参加した。
「バーボン会」というのは、プロ野球阪神タイガースを舞台に、取材する側とされる側、時には角突き合せながら同時代を過ごしたスポーツ紙記者、タイガース関係者らがメンバーの懇親会で、ゴルフコンペは月一度が定例、年に何度かの飲み会もある。
会ができてから30年以上になるが、いまでもコンペとなると3、4組のメンバーが集まり、にぎやかでなごやかな時間を過ごす。
ただ、会を立ち上げたときの主人公はもうこの世にいない。阪神、オリックスで監督、ゼネラルマネジャーを務め、2015年に66歳で急死した中村勝広さんがその人。会のネーミングもにぎやかな酒好きだった中村さんにちなんだものだ。
立ち上げ当時は、中村さんが40代そこそこで阪神の監督を務めていた頃で、当時チームスタッフとしてサポートしたタイガースサイドのメンバー、当時担当(トラ番)記者として中村阪神を取材していた記者が中心だった。
その後、人の輪で参加者の枠は少し広がったが、元タイガース関係者+元スポーツ紙記者という基本線は変わっていない。
自分の場合、中村さんが監督になったタイミングでトラ番を離れたこともあり、「バーボン会」の存在も知らなかった時代が長い。かつての記者仲間だった会の幹事から声をかけられて顔を出すようになってからまだ5年ほど。中村さんの選手、二軍監督時代はよく取材でお世話になったが、「バーボン会」での中村さんは思い出話でしか知らない。
現在、最年長は76歳。最年少は59歳。年金生活者が大半で、メンバーの平均年齢はもう70歳を超えているかもしれない。
タイガース側のメンバーには歴代の球団社長が数人名を連ねる。ゴルフで同じ組に入ったりすると、一日を通して「実はあのとき…」とか「ここだけの話ですが…」というお互いの現役時代には話すことも聞くこともなかったような内緒話をされることもある。とはいってもその場限りのこと。それが長続きの秘訣なのかもしれない。
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27日のコンペは11人が参加した。曇り時々晴れの天気だったが、時折りあられが降り、強い寒風が吹きすさぶゴルフには最悪の条件下だった。
冬のゴルフは周囲の景色の色合いのせいもあって、ボールの行方が見にくくなる。この日も大きくそれた打球ではないのに、行ってみると見つからず「ロストボール」というペナルティを伴う処置をするケースが頻発した。それだけではない。クラブのコースへの置き忘れも数知れず…。
バーボン会コンペの会則は、プレー代、昼食代は各自精算。これとは別に参加費として2000円/を徴収する。ホールアウトし、入浴で汗を流した後はコンペルームでの表彰式。2000円の参加費を賞金に振り当て、ささやかな表彰式を行う。この30分ほどの時間のなんとにぎやかで楽しいこと。天国の中村さん、さぞや羨ましがっているに違いない。