私の母は、どうしてこの母親から私のような
気の強い、はねっかえり娘が産まれたものだろうと思うほど
ひかえめなおとなしい人でした。
両親の死後、実家に移り住んでいる私は
時々、こちらはまったく知らない人に話しかけられます。
「やさしいお母さんでしたねぇ」と。
私が小学生の時
市制何十年とかの記念行事のパレードで、
鼓笛隊の行進の指揮者に選ばれました。
何百人もの小学生の先頭で
意気揚々と指揮棒を振る私を沿道で見て
母はため息ついたそうです。
「なんであの娘(こ)は、あんなふうに人より前に出たがるのだろう。
”みんなと一緒”であることのほうが
ずっとラクだし、幸せな人生を送れるのに」
うん。
お母さん。
私、あの時のお母さんの年齢、とっくに超えちゃったよ。
ラクじゃなかったかもしれないけど
幸せな人生だよ。
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