まずはこの曲。
斉藤由貴が歌ってヒットしましたが、本家はこちら。 「夢の中へ」。
この曲は、一説では、危ない薬を探す警察との攻防を描いた歌とも言われています。そう言われれば、そういう風にも取れますね。
井上陽水さんの歌詞というのは、本当に素晴らしいと思います。
ハッとさせられる日本語が沢山あります。
例えば初期の歌。
「傘がない」
冒頭の歌詞がすごいです。
都会では自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけでも問題は今日の雨 傘がない
インパクトのある歌詞ですね。社会性のある曲かと思いきや、いきなり身近な風景に寄っていく。
「氷の世界」。筋肉少女帯もカバーしていましたね。
誰か指切りしようよ 僕と指切りしようよ
軽い嘘でもいいから今日は一日はりつめた気持でいたい
小指が僕にからんで動きがとれなくなれば
みんな笑ってくれるし 僕もそんなに悪い気はしないはずだよ
なんと緊張感漂う歌詞でしょう。
嘘であってもそれが張り合いになる場合がある。心の機微ですね。
「リバーサイドホテル」
誰も知らない夜明けが明けた時
町の角からステキなバスが出る
若い二人は夢中になれるから
狭いシートに隠れて旅に出る
夜明けが明けた、二重表現で、本来は避けるべき言葉でしょう。でも、「誰も知らない」と付けると、ガラっと印象が変わりますね。強調表現になります。
素晴らしい夜明けに感じてしまいます。
歌詞を味わいながら、歌を聴いてください。