私は尾木ママも橋下徹も嫌い。
尾木ママは理想論だけで教育や社会を語るところが嫌い。
橋下徹は独善的で、一面の真実を誇大に表現して、事実を歪曲するから嫌い。
で、私は頭髪の色に関して言えば、どっちの意見も賛成できない。
橋下の言うことは一理ある。
確かに荒れた学校では、頭髪の色検査は一定の抑止力になるかもしれない。でも、それを言えば、いっそ”全員ボウズ”強制にしてしまえばいいし、私の子供時代は、荒れている学校ほど、そういう傾向がありました。
でも、今は”ボウズ強制”は基本的人権の侵害と言われる時代ですよね。ということは、”頭髪の色の確認”も同じ論理で基本的人権の侵害と言われても仕方ない。橋下はその点を巧妙に隠して、現場の実態という議論にすり替えている。それが賛成できない理由。
私は、社会人になりたての頃、某全国区メーカーの大阪支店で、5年程総務をやっていました。
その中の仕事に、転勤者の借り上げ社宅探しというのがありました。
そうした社宅探しをする時には、転勤者の希望を聞くのですが、就学児童をお持ちの転勤者は、大阪の北部地域を希望されました。(大阪の方、申し訳ありません。私の体験談なんで・・・)
話を聞くと、学区のことを気にされていて、落ち着いた学区を希望される方が多い。
で、そいういう地域は人気が高いから、物件探しに苦労しました。(もちろん、気にされない方もいましたが・・・)
これは、大阪に限ったことではなく、どの地域にも当てはまることです。
”荒れる学校”の原因はふたつあると考えています。
①その学校の教師の指導力が低い。指導力だけでなく、学級経営能力・授業能力が低い。
②その学校のある地域自体が荒れた地域で、様々な問題を抱えた生徒が集まる特性がある。
①については解決法は簡単。教員の質を上げる努力をすればいいだけ。そうすることによって、学校の荒廃は収まるでしょう。尾木ママなんかがいう理論はこのケースには当てはまることが多いでしょう。
②についてはなかなか難しい。優秀な教員が揃っていても、問題児だらけでは、教員の手が回らないし、疲弊してしまう。金八先生だって、一週間に一事件だから解決できるけれど、一日に何件も事件が起きていたら、仕事にならなくなってしまう。本来の授業にも影響を与えてしまう。橋下徹はこういう現場を切り取って全てのケースにしようとしている。
②の問題は、行政が主導となって、地域の荒れを収める努力をしないと解決は難しいでしょうね。時間がかかる問題だと考えます。その過程では、確かに、他の地域とは違った校則を適用せざるを得ない場合があるでしょう。
でもね、そもそも国際化が叫ばれ、多くの外国人の子供が公立学校に通う今の世の中。
頭髪の色や肌の色、目の色であーだこーだいう感覚が時代遅れだと思う。多民族国家では考えられないことですからね。
その辺り、意識を完全に変えたうえで、問題に取り組んだほうがいいと私は考えます。